研究領域 | ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明 |
研究課題/領域番号 |
21H00349
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
今西 規 東海大学, 医学部, 教授 (80270461)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 難治性疾患 / ゲノム多様性 / HLAハプロタイプ / 地理的分布 / GWAS |
研究開始時の研究の概要 |
都道府県を単位とするゲノム多型の地域差に関するデータベースを活用し、対立遺伝子頻度と難治性疾患の人口当たり患者数が強く相関する組合せを特定する。そして、相関のみられる対立遺伝子について、患者ゲノムの遺伝子タイピングにより疾患との関連の検証を試みる。特にHLA遺伝子群については、数種類の疾患を対象にタイピングを実施し、疾患との関連を解明する。以上によりヤポネシア人ゲノムの多様性とそこに働く自然淘汰圧の理解をめざす。
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研究実績の概要 |
われわれは日本人のゲノム多型の地域差を調べ、HLA遺伝子群の都道府県単位での遺伝子頻度データ等についてデータベースを整備してきた。これらのゲノム多型と56種類の指定難病の地理的分布を重ね合わせてみたところ、興味深いことに多数の「相関」する組合せを発見することができた。そこで本研究では、HLAの対立遺伝子やハプロタイプ、核ゲノムのSNPsの中で難治性疾患との「地理的相関」が認められる疾患関連候補多型を網羅的に列挙し、その関連を検証するための関連解析を実施する。 網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)は網膜の視細胞が変性・消失することにより視力の低下や失明に至る疾患で、難病に指定されており、原因解明と治療法開発が期待されている。事前の解析で、日本の47都道府県におけるHLA遺伝子頻度の分布と人口あたりの患者数を比較したところ、HLA-DRB1遺伝子のDRB1*04:05対立遺伝子の頻度が患者数と正の相関を示した(r=0.536)。そこで、HLA遺伝子と網膜色素変性症の関連を検証するため、実際の患者のゲノムDNAを集めてHLA遺伝子を解析した。難病研究資源バンクから取得した兵庫県在住の患者ゲノムDNA(52名分)に対し、クラスI遺伝子のHLA-A, B, CとクラスII遺伝子のHLA-DRB1, DQB1, DPB1の合計6座位を対象とするタイピング実験を行った。その結果、健常人と患者群の間で頻度差がある対立遺伝子が散見されたが、当初注目していたDRB1*04:05については患者群で頻度が低く、関連は認められなかった(OR=0.72)。一方で、他の対立遺伝子やハプロタイプの中には患者群で高頻度に観察されたものがあり、疾患との関連が疑われる結果となった。そこで、追加で近畿地方の患者56名分のゲノムDNAを解析し、関連の検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
網膜色素変性症についてはHLAの対立遺伝子やハプロタイプとの関連を調べる解析が順調に進行しており、結果によっては2022年度中に論文発表を行うことができる見込みである。第二の疾患については準備が遅れていて、解析に着手できていない状況であったが、遅れを取り戻すべく取り組む計画である。
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今後の研究の推進方策 |
網膜色素変性症に関しては、追加で近畿地方の患者56名分のゲノムDNAを用いたHLA遺伝子のタイピング実験が進行中であり、以前に解析した兵庫県の患者52名の結果とともに論文発表する予定である。また、このほかの疾患については、再び患者数と遺伝子の地理的分布の相関を精査し、対象疾患を厳選した後に、患者群に対するHLA遺伝子のタイピングにより関連を検証する研究を行う。さらに、がん患者数の地域差とHLA遺伝子や核ゲノム多型との関連を調査する予定である。
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