公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
生体の時間調節機構に重要な役割を持つのが概日時計である。この概日時計は、睡眠・覚醒といった生体の24時間のリズムを作り出すぺースメーカーとして機能し、その中枢概日時計が、脳内の視床下部に位置する視交叉上核に存在する。この視交叉上核を電気的に破壊すると、24時間の体内のリズムが破綻し、様々な生理機能の時間的秩序が崩壊する事から、生理機能のタイミングに視交叉上核が重要な役割を持つことが示唆されている。本研究では、マウスの生理機能のタイミングを調節する神経メカニズムを明らかにし、概日時計が制御するシンギュラリティ神経回路の同定を目指す。
実験動物であるマウスを低温環境で給餌を一時的に行わない絶食条件にすると、能動的低代謝を示し体温が室温にまで低下する。この低代謝状態を休眠と呼ぶ。これまでの申請者の研究から、この休眠導入のタイミングは絶食を開始するタイミングが明期か暗期かに関わらず、暗期の後半から明け方にみられる事が分かってきた。つまり、低温・絶食により何らかの負債が体内で蓄積し(休眠負債と定義する)、その条件で生体が示す特定の時間がくると休眠に入ることが可能になる。ここで生体の時間調節機構として概日時計が重要な役割を持つと考えられる。睡眠・覚醒などの生理機能の24時間のリズムを調節しているのが、この概日時計である。本研究では、低温・絶食により蓄積する休眠負債因子が作用する神経細胞と、概日時計により制御される神経細胞がオーバーラップする神経細胞群を、休眠を誘導するシンギュラリティー細胞とし、7千万あるというマウスの神経細胞の中から、その細胞と神経回路を見つけ出す。今年度は視交叉上核の活性化により、日内休眠が抑制されるという事から、日内休眠を誘導する脳領域の同定を行った。その結果、複数の脳領域が視交叉上核からの入力を受け、神経活動が抑制され、その結果日内休眠が抑制されている事を明らかにした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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巻: 9 号: 1
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https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Sci_230105.pdf
https://daiono14.wixsite.com/circadianrhythm