公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
タウ蛋白質相転移(正常から異常への変換点)がタウ毒性の本体であると仮定し、神経細胞-ミクログリア連関の破綻を起因としたタウ病変発症の技術的特異点を同定することを目的とする。目的を達成するために、タウオパチーモデルマウスを用いた早期タウ病態形成過程におけるミクログリア動態の解析、ミクログリア依存的なタウ病変形成の検証、タウ蛋白質相転移点の検出を目指した生体バイオマーカーの開発を行う。
老年性認知症病態の大半を占める凝集性タウタンパク質の脳内蓄積は神経機能障害や細胞脱落と密接に関連していることが知られているが、どのように生理的に微小管結合能を有するタウが自己凝集能を獲得し、病的なタウが特定脳領域より拡散・伝播するのか、その技術的特異点は明らかになっていない。本研究では、タウ蛋白質相転移(正常から異常への変換)が神経機能障害を引き起こす毒性の本体であると仮定し、神経細胞内で起こるタウ蛋白質相転移点の同定と、ミクログリアなどによる神経細胞外環境との関連性を探索し、認知機能障害を引き起こす技術的特異点を同定することを目的とした。昨年度までに、タウオパチーマウスモデルrTg4510マウスのミクログリア動態変化について解析を行ない、タウ病態形成との時系列変化を明らかにした。さらにタウ病態形成とミクログリア動態の相互作用に基づくタウ蛋白質相転移メカニズムの解明を目指し、rROSA26遺伝子座へヒトタウ遺伝子を導入した遺伝子改変マウスの作出に成功した。本マウスは前述のrTg4510マウスと同等に、タウ病変依存的なミクログリア恒常性の変化を呈することがわかった。さらに、若齢マウスへの脳内タウ線維導入により病態の加速を認め伝播モデルとしての有用性を明らかにした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
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