研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
21H05327
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 美保 京都大学, 医学研究科, 助教 (50600061)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 自律的健康管理 / 月経前症候群 / セルフモニタリング / 自律神経機能 / fMRI / ランダム化比較試験 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもを産み育てるための生殖機能が備わった女性の身体は生涯にわたりダイナミックに変化する。本研究では、社会の再生産を担う性成熟期において女性の心と身体と生活に大きな影響を及ぼす月経前症候群(PMS)に着目し、その病態の医学的評価に不可欠である症状記録法として我々が開発したスマホアプリを用いた「セルフモニタリング」が症状改善や自己効力感の向上に寄与するか否かを検証すると同時に、包括的な月経教育プログラムも開発する。また、症状が多彩でとらえがたいPMSの客観的指標の探索のためにfMRIを用いて脳科学的解析なども行う。このようなPMSを可視化する取り組みを通して、女性の自律的健康管理法を提案する。
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研究実績の概要 |
有経女性の約40~60%が治療を要するともいわれている月経前症候群(premenstrual syndrome; PMS)の臨床上および公衆衛生上の未解決課題に取り組むために、まずPMSのケアと診断・治療の第一歩となるセルフモニタリングを可能にするスマホアプリ「せるふも」を開発した。PMS診断に有用な症状記録ツールとしてわれわれが過去に作成した日本語版Daily Record of Severity of Problems(DRSP)をこれに搭載している。 月経トラブル/随伴症状/メンタルヘルスに対するセルフケアの文献レビューを行い、専門家ミーティングを開催して、PMSを改善するためのメールによるアドバイス集を作成した。 次に、PMSを自覚する女性約400人を対象に、3か月間の「せるふも」使用と専門家からのPMSセルフケア助言メールがPMSによる生活支障を軽減するか否かを検証するランダム化比較試験をオンラインで実施した。 また、月経周期に伴う症状変調の客観的指標の抽出しそのメカニズムの神経学的基盤を解明する目的で、卵胞期と黄体期の間の自律神経機能変化と脳活動・脳構造変化との関連を多角的に検討する研究をデザインした。卵胞期(月経開始後5~10日)と黄体期(月経前1~5日)の2ポイントにおける自律神経機能測定、functional MRI(fMRI)および質問紙調査を目標人数に対して実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ランダム化比較試験のプロトコルをいったん策定したあとに、臨床心理の専門知識を有し本研究に精通している研究協力者ににより、当初予定していた被験者の人数及び介入実験の手法では目的とするデータの取得ができないとの指摘を受けた。そこで研究方式の再検討を行い、規模を拡大したリクルートを行う準備をして、試験開始が当初の予定より遅れた。しかし、研究参加を呼び掛けるSNSを用いた広報が奏効し、リクルート開始から目標人数登録までにかかった日数は予想より短く、全参加者に対する主要評価項目のデータ取得は平成4年度末には完了した。
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今後の研究の推進方策 |
スマホアプリを用いたランダム化比較試験とfMRTと自律神経機能測定を実施した実験それぞれのデータ解析を進め、成果発表をする。
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