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18~19世紀のロシアにおけるイスラーム法学の継承をめぐるムスリム知識層の形成

公募研究

研究領域イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造
研究課題/領域番号 21H05371
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅰ)
研究機関千葉大学

研究代表者

磯貝 真澄  千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90582502)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードウラマー / タタール / バシキール / ヴォルガ・ウラル地域 / 中央ユーラシア / 人名録 / デジタル・ヒューマニティーズ / ムスリム / ロシア / イスラーム / 人文情報学 / イスラーム法 / ロシア帝国
研究開始時の研究の概要

本研究は、18~19世紀後半のロシア帝国ヴォルガ・ウラル地域(ヴォルガ中・下流域、ウラル南麓)において、イスラーム法学を中心とするイスラーム諸学の知識を継承したウラマー(イスラーム法学者、学識者)が築いた知的・人的なつながりの様相を解明し、それによって彼らがどのような身分集団的社会層を、どのようにして形成・維持していたのか、そしてそれはどのように変化したのかを明らかにしようとするものである。その際、この地域のウラマーが著した人名録(伝記集)から得られる情報でデータベースを構築し、地理情報システムを使って情報を分析・可視化するなど、人文情報学の手法を援用する。

研究実績の概要

1. データベース構築:本研究の主要史資料は、帝政末期ヴォルガ・ウラル地域のウラマーの1人であるリザエッディン・ブン・ファフレッディンが著した人名録『事績』第1、第2巻(カザン、オレンブルグ、1900~1908年)である。研究実績報告者は、そのテキストから、人名項目として見出し語になっているウラマーの名、その他のウラマーの名、彼らの出生地、師事したウラマーの名やそのマドラサの所在地、彼らがイマーム等の職に就いた場合の勤務地や活動地、そして親や兄弟姉妹、妻や子の情報等を抽出し、データベースの作成を進めた。
2. 文献収集:上述の『事績』から抽出した情報の分析に必要な文献を収集した。研究計画時にはロシア連邦の研究者の助力で、ロシアに所蔵される文献を収集するつもりだったが、ロシアによるウクライナ侵略の経緯でそれが難しくなったため、ウズベキスタン共和国科学アカデミー・ビールーニー名称東洋学研究所で文献の所在調査と収集を行った。
3. 人文情報学を援用した研究手法の検討と成果公開:上述の『事績』から抽出した情報の分析と可視化に必要な人文情報学を援用した研究手法について、最適なものを選ぶための検討を行った。研究目的の第1、学問のための移動と人的ネットワーク、主要な学問拠点の形成と維持の様相の解明には、GIS(QGIS)を利用するものとした。研究目的の第2、婚姻と姻戚づくりのプロセスの分析によるウラマー家系の出現過程の解明に利用するツールの検討は、簡単でないことが判明した。
4. 主要史資料の質的分析による「ウラマーの共同体」の意味の分析:上述の『事績』の数的・量的な分析を進めつつ、分析手法そのものについても検討する過程で、『事績』が「ウラマーの共同体」を提示しようとした著作であることを、テキストの質的分析によって解明する必要があると判断した。そして、その成果を口頭報告にまとめて発表した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] ウズベキスタン科学アカデミー・ビールーニー名称東洋学研究所(ウズベキスタン)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 1920~40年代の神戸のテュルク系ムスリムと教育活動2024

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      『日本に暮らすムスリム』(イスラーム・ジェンダースタディーズ7)(長沢栄治監・嶺崎寛子編、明石書店)

      巻: - ページ: 206-209

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ソ連初期のムスリム知識人による自己語り:1928年のハサンガター・ガベシーの自伝的回想を読む2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      『近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照(野田仁編、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

      巻: SCI 119 / MEIS 29 ページ: 225-243

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ガスプリンスキー:ロシア帝国のムスリム知識人2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      『中央ユーラシア文化事典』(小松久男ほか編、丸善出版)

      巻: - ページ: 192-193

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] メルジャーニーとリザエッディン・ブン・ファフレッディン:ロシア帝国のウラマーと改革論2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      『中央ユーラシア文化事典』(小松久男ほか編、丸善出版)

      巻: - ページ: 194-195

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] マドラサとマクタブ2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      『中央ユーラシア文化事典』(小松久男ほか編、丸善出版)

      巻: - ページ: 282-283

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中央ユーラシアのムスリムとロシア帝国法:宗務行政と植民地行政2022

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄・塩谷哲史・磯貝健一
    • 雑誌名

      帝国ロシアとムスリムの法(磯貝真澄・磯貝健一編、昭和堂)

      巻: - ページ: 15-45

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ロシア帝国的「イスラーム法」の構造:ヴォルガ・ウラル地域のムスリムの婚姻・離婚2022

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 雑誌名

      帝国ロシアとムスリムの法(磯貝真澄・磯貝健一編、昭和堂)

      巻: - ページ: 47-77

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 竹村和朗(編)『うつりゆく家族』から考える中央ユーラシア研究の可能性2024

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      イスラーム・ジェンダー学の軌跡と今後のゆくえ:全体集会『記憶と記録にみる女性たちと百年』『うつりゆく家族』合評会(東京外国語大学、2024年2月3日)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 人名録が想像させるムスリム・コミュニティ:リザエッディン・ブン・ファフレッディン『事績』2024

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      ワークショップ「近代帝国のなかの翻訳とコネクティビティ」(東京外国語大学、2024年3月14日)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 19世紀末ヴォルガ・ウラル地域の教区簿:婚姻・離婚の記録2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      第21回中央アジア古文書研究セミナー(京都大学、2023年3月25日)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ソ連初期のムスリム知識人の自伝的回想を読む:ウラマーとボリシェヴィキ2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      日本中東学会第29回公開講演会「自伝が語る世界:近現代の中東・中央アジア」(成蹊大学、2023年11月12日)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 宗教からみえるロシア2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      隣国ロシアを理解するための東北大学講座(東北大学、2023年12月14日)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ヴォルガ・ウラル地域の婚姻と離婚の記録2022

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      第20回中央アジア古文書研究セミナー
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ロシア帝国におけるイスラーム教育網と「ムスリム聖職者」層 :イスラーム社会史からロシア社会史を議論する試み2021

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄
    • 学会等名
      上廣歴史資料学研究部門研究報告会(東北大学東北アジア研究センター)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 中央ユーラシアの女性・結婚・家庭:歴史から現在をみる(アジア環太平洋研究叢書6)2023

    • 著者名/発表者名
      磯貝真澄・帯谷知可編
    • 総ページ数
      287
    • 出版者
      国際書院
    • ISBN
      9784877913212
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-10-22   更新日: 2024-12-25  

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