研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
21H05374
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
太田 絵里奈 (塚田絵里奈) 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (40899043)
|
研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 前近代アラブ史 / プロソポグラフィー / コネクティビティ / ネットワーク分析 / 文民エリート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、前近代(13~16世紀)アラビア語史料のデジタル解析を通じた文民エリート間の関係とその構築形態(コネクティビティ)の解明を主たる目的とする。当時のアラブ地域は異教徒出身のテュルク系軍人による統治体制が敷かれていたが、行政は地元のアラブ系ムスリムによって担われていた。本研究ではこのアラブ系文民エリートがいかに地位と権力を保持したかを、生存戦略の観点から分析することを主眼としつつ、社会上層部の複層的関係性を可視化する方法論として、デジタル解析を採用する。統治エリートの人的関係とその諸様態を可視化し、彼らの生存戦略の総合的に検討することで同時代の社会構造を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本課題の最終年度である2022年度では、前近代アラブ地域における文民エリートの複層的関係性の可視化に向け、①同時代史料の豊富な15世紀を対象に、主要人名録のデジタル化に伴う写本調査を行なった。またデータの機械可読化にあたり、②ネットワーク可視化ツールや知識グラフを用いたネクサス分析を行なった。2022年度の補助金は図書をはじめとする物品費のほか、エジプト・アラブ共和国への写本調査を目的とした旅費、デジタルテキスト作成のための人件費に充てた。
初年度においてネットワーク可視化方法の検討を重ねた結果、アラビア語史料を用いた歴史知識のデータ化における困難は、史料記述特有の曖昧性という、実証研究との接合とも関わる問題にあることが明らかとなった。そのため、2022年度は「イスラーム信頼学」C01「デジタル・ヒューマニティーズ的手法によるコネクティビティ分析」班のワークショップや学会報告を通じ、イスラーム史研究者のほか、人文情報学を専門とする研究者とも幅広くディスカッションを重ね、データ構築の根拠となる元史料への参照性を担保する手法を探った。そして宗教的知識人の栄達の戦略の一部を成した名目的なコネクティビティを、15世紀のデジタル化した人名録の機械分析による遠読と従来的な史料精読を組み合わせることによって明らかにし、論文(「「イスティドゥアーによるイジャーザ」に基づく15世紀ウラマーの名目的関係構築」『西南アジア研究』97号、1~22頁、2024年3月)として発表した。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|