研究領域 | 次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築 |
研究課題/領域番号 |
21H05418
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大下 慶次郎 東北大学, 理学研究科, 助教 (40373279)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | イオン移動度質量分析 / イオンー分子反応 / 炭素クラスター / 負イオン / アセチレン / 異性体分離 / 反応速度定数 / イオンモビリティ分析 / 重合反応 |
研究開始時の研究の概要 |
惑星系が誕生する場所で起きる多様な化学現象を理解するためには、極低温での化学反応を知るだけではなく、中間温度で進行する様々な気相化学反応を詳細に明らかにする必要がある。本研究では温度100-300Kにおける気相負イオン-分子反応の速度定数の温度依存性を定量的に求めるために、自作の温度可変イオン移動度質量分析装置を用いて反応を観測する。特に炭素-炭素結合が生成する炭素鎖成長反応に着目し、炭素鎖分子や複雑な有機分子生成の反応素過程を研究する。
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研究実績の概要 |
本研究では、温度100-300Kの気相における負イオンと分子との反応速度定数の温度依存性を求めるため、自作の温度可変イオン移動度質量分析装置を用いてイオン-分子反応を観測する。特に炭素クラスター負イオンとアセチレン(C2H2)などの炭化水素分子との反応により、炭素-炭素結合が生成する反応(炭素鎖成長反応)に着目した。本研究課題の2年目にあたる令和4年度は、鎖状および環状構造をもつ炭素クラスター負イオンの構造異性体をイオン移動度質量分析を用いて分離し、アセチレンとの反応実験を行った。 固体炭素へのレーザー蒸発とパルス分子線を組み合わせた自作のイオン源を用いて、炭素クラスター負イオンを気相に生成した。ヘリウム緩衝気体で満たされたイオンドリフトセルを用いたイオン移動度分析により、炭素クラスター負イオンの構造異性体を分離した。異性体が分離されたイオンを飛行時間型質量分析計を用いて質量選別して観測した。さらに、ドリフトセルに導入するヘリウム緩衝気体に5%のアセチレンを混合した際の、炭素クラスター負イオンの異性体比の変化を観測した。 イオンドリフトセルに導入した5% C2H2/He緩衝気体の温度300K、圧力0.801Torrにおける炭素クラスター負イオン(Cn-)のイオン移動度質量分析の結果、炭素原子数n=6-15で鎖状構造をもつ炭素クラスター負イオンが観測された。さらにnが13以上では環状構造をもつ炭素クラスター負イオンも合わせて観測された。n=13,15では鎖状と環状構造を持つ構造異性体が共存し、これらを明瞭に分離して観測した。n=13,15の異性体存在比は、純ヘリウムを導入した場合に比べて、アセチレンを導入すると環状の異性体が鎖状に比べて相対的にイオン量が減少することが見出された。これは環状構造をもつ炭素クラスター負イオンが鎖状に比べてアセチレンとの反応性が高いことを示している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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