研究領域 | 次世代アストロケミストリー:素過程理解に基づく学理の再構築 |
研究課題/領域番号 |
21H05430
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高口 博志 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (40311188)
|
研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | 状態選別光イオン化 / イオンガイド反応実験 / 低エネルギー衝突 / 化学反応ダイナミクス / 量子状態選別 / 準低温反応 / 準低温領域 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、100 Kまでの温度領域で、分子内部状態と並進運動の温度を独立に制御するイオン・分子反応実験手法を実現する。これにより、星間化学の反応環境での反応性と反応機構に対して温度が果たしている役割を、自由度ごとに分離して解明する。反応分子の初期量子状態分布を始点とした反応トラジェクトリーが、ポテンシャルエネルギー曲面上を伝播して、自由エネルギーランドスケープを形成する過程を実験的に検証して、従来の単一エネルギーでの量子散乱理論と、一様温度での反応速度論をつなぐ新しい化学反応論を開拓する。先端的ビーム実験法による測定結果から、星間化学反応に新しい考察の視点を提供することを目標とする。
|
研究実績の概要 |
極低温の星間分子雲では、分子イオンと中性分子との化学反応がその組成を決定づける主要過程とされている。環境温度の上昇は、衝突エネルギーの増加と反応分子の内部励起による、生成経路の分岐を含む反応性の変化を及ぼし、極低温における反応データからの外挿では理解できない反応結果をもたらす。星間分子雲の典型的温度である10Kほどから室温に至るまでの中間温度領域で、イオン・分子反応の機構がどのように変化するかに関する分子論的な解明が必要とされる。本研究課題では、イオン・分子反応に対して、量子状態と衝突エネルギーの同時制御機構を持つイオンガイド反応装置を用いた反応ダイナミクス研究を行った。 特定の振動・回転状態の分子イオンを生成するレーザー分光法をNO分子に適用して、NO+イオンと炭化水素系分子の反応を対象として、衝突エネルギー/量子状態依存性の相関を考察するための測定とともに、実験装置の改良を進めた。振動基底状態にあるNO+(v=0)は、極低温に対応する低衝突エネルギーほど高い反応断面積を示したが、NO+の振動励起が反応断面積を著しく低下させる測定結果が得られた。この結果は、反応温度は一様に反応性に影響するのではなく、自由度ごとに異なる機構が作用していることを示している。本研究課題で目的とした分子論的解明には、これらの依存性の相関測定に、より高い定量性が必要であった。多段階のイオンガイド部分の増設は低速イオンの輸送制御に有効であり、振動励起エネルギーと同程度以下の衝突エネルギー条件での測定を可能とした。一方、エネルギー分解能を衝突エネルギー幅は、本装置の長所である光イオン化による空間電荷効果に制限されていた。本測定装置を幅広い星間化学反応系に適用させるとともに、低密度でのイオン生成によって高分解能化仕様とするために、RF貯蔵式のイオン源を製作した。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|