研究領域 | ダークマターの正体は何か?- 広大なディスカバリースペースの網羅的研究 |
研究課題/領域番号 |
21H05449
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
研究機関 | 旭川工業高等専門学校 (2022) 愛媛大学 (2021) |
研究代表者 |
大木 平 旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助教 (90792078)
|
研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ダークマター / 超巨大ブラックホール / 活動銀河核 / 銀河形成 / 銀河進化 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、冷たいダークマター (CDM) 理論に基づいてスーパーコンピュータ「京」を用いた準解析的銀河形成モデル ν2GC を構築し、世界トップレベルの精度で活動銀河核 (AGN) の統計量を理論予言することを可能にした。 しかし、銀河やAGNの数密度、空間相関は、ダークマターの性質からも大きな影響を受ける可能性がある。 本研究では、温かいダークマターモデル及び自己相互作用するダークマターモデルが、AGNの統計量にどのような影響を与えるのかを、ダークマターハローの合体形成史と準解析的銀河・AGN形成モデルを用いて明らかにする。
|
研究実績の概要 |
我々は、冷たいダークマター (CDM) 理論に基づいてスーパーコンピュータ「アテルイII」を用いた新たな大規模N体シミュレーションに適用して、モデル銀河・活動銀河核カタログ Uchuu-ν2GC を構築し、web上で公開した。これは、他に類を見ない広い計算領域を扱うモデルカタログである。しかし、銀河やAGNの数密度、空間相関は、ダークマターの性質からも大きな影響を受ける可能性がある。 本研究では、小スケールの構造形成を抑制する温かいダークマター(WDM)モデルが AGN の統計量にどのような影響を与えるのかを、ダークマターハローの合体形成史と準解析的銀河・AGN形成モデルを用いて明らかにした。我々は、モンテカルロ法を用いて様々なWDM質量を仮定したときのダークマターハロー合体史を構築した。これを準解析的銀河・AGN形成モデルと組み合わせることで、WDMモデルが高赤方偏移での超巨大ブラックホール(SMBH)とAGNの統計量に与える影響を調べた。 その結果、赤方偏移4以上において、WDM質量の違いが低質量SMBH質量関数と低光度AGNの光度関数に大きな影響を与えることが分かった。特に、1keV WDM を仮定 した場合、CDM に比べて個数密度が ~0.5 dex 減少することを示した。WDMモデルの結果は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) の観測によって近年示唆されている、宇宙初期の多量のAGNの存在と整合しない。さらに、既存の観測と矛盾しない範囲で小スケールの密度ゆらぎを増加させた場合においても、JWST で示唆されるAGNの個数を説明できないという初期成果を得た。本研究により、AGN 観測量がダークマターモデルに強い制限を与えることが明らかになると共に、JWST の観測結果と理論モデルの詳細な比較検討が必要であることが分かった。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|