研究領域 | 高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ |
研究課題/領域番号 |
21H05477
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
秋根 茂久 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30323265)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 積層構造 / 配位結合 / 金属錯体 / 非共有結合的相互作用 / π平面 / キラリティー / 分子認識 / 応答性分子 / 大環状化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、金属と配位子の間での配位結合の形成を駆動力として、π平面分子をより近接した位置に積層できるような一連の方法論の確立と、それによる新規電子物性の開拓を目指す。配位結合の結合エネルギーは、金属イオンと配位子の組み合わせによっては共有結合並みの大きさとなるため、これを駆動力とすることで大きな近接効果が期待される。そこで、配位結合形成によって二枚のπ平面が近づくような設計の二量体型配位子を新たに合成し、金属イオンとの錯形成によって生成する錯体の構造や物性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
芳香環が密に重なった構造は、新規電子物性の観点から注目を集めている。とくに、多環芳香族π電子系がグラファイトの層間距離を超えて近接する構造の構築の合理的な方法論の確立は、本学術変革領域「高密度共役」において推進すべき重要な課題となっている。π平面分子が自然に積層するときの距離はグラファイトの層間距離とほぼ同等となるので、これを超えて近接させるためには斥力を凌駕するだけの強い構造制御法が必要となる。そのような積極的な「近接のための力」として、本研究では、金属・配位子間の配位結合形成に着目した。配位結合の結合エネルギーは金属・配位子の組み合わせによっては共有結合なみの大きさとなるため、これを用いてπ平面を強制的に接近させることができると期待される。 このようなπ平面構造としてペリレンビスイミド骨格に着目した。金属配位結合形成によって二つのペリレンビスイミド部位が接近する分子として、3,3'位に二つのペリレンビスイミド部位を導入したsalen配位子を設計した。まず、3位にアミノ基を有するサリチルアルデヒド誘導体を合成し、これとペリレンテトラカルボン酸二無水物の反応により前駆体となる分子を合成した。この化合物を、クラウンエーテルを導入したキラルなエチレンジアミンと反応させることにより、salen型の配位部位を構築した。これにニッケル(II)を導入することで、二つのペリレンビスイミド部位を有するsalen 錯体を合成した。この二枚の積層のねじれに由来するCDシグナルが観測された。このCDの符号はゲストの認識に伴って変化することが明らかとなり、積層のねじれのキラリティーを変化させられるユニークな高密度集積構造の構築に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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