研究領域 | 高密度共役の科学:電子共役概念の変革と電子物性をつなぐ |
研究課題/領域番号 |
21H05494
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
池田 浩 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30211717)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 擬高密度共役 / 有機結晶 / 光励起 / 超高圧 / マルチマー |
研究開始時の研究の概要 |
一般に溶液中の1つの有機分子は1光子を吸収し光励起状態となる。また、分子性有機結晶などではFrenkel型励起子が生成するとされている。しかし、最近ではこれらの旧来型概念では説明できない現象が報告されている。 本研究では、有機結晶は、擬似的な高密度共役(以下、擬高密度共役)の系であるとの発想に基づき、分子性有機結晶の「励起マルチマー」の一般性の確立や、Wannier型励起子の提唱などを行う。具体的には、高発光性部位と高感圧性部位の両方を持つ発光性有機物を用いて、様々な分子積層様式をもつ結晶を調製し、超高圧印加や高強度光照射に伴う分子や結晶の幾何構造・電子構造の変化の実測および理論解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では主に2種類の有機ボロン錯体群について、その結晶特性と結晶発光特性を精査した。一つ目は、ジベンゾイルメタン誘導体と三フッ化ホウ素から合成される有機ボロン錯体1の各種メチル置換体である。これらの結晶は、その結晶構造に対応して、青色から黄色の発光を示した。本研究ではその結晶構造特性(単位格子に関する結晶データなど)と発光特性(波長、寿命、量子効率など)の相関関係を明らかにした。 二つ目は、ボロン錯体1の一方のフェニル基を3次元的な電子供与体である[2.2]パラシクロファニル基で置換した新規な有機ボロン錯体2である。母体2の他に、2に残るもう一つのフェニル基のパラ位にイソプロピル基とtert-ブチル基を置換した誘導体も合成し、それらの常圧および高圧下における結晶構造特性と発光特性を精査した。これらの結晶は、その結晶構造に対応して、緑色から赤色の発光を示した。 研究の主な項目は以下の研究①ー⑤であり、常圧だけでなく超高圧・光照射条件で分子間距離が近接するなどで分子間相互作用が高まることが、多くの系の実験と理論計算により実証され、それを擬高密度共役の発現として提言した。 ①合成:基質2の合成ルートは直前の前駆体までを共通化し、研究の効率化を狙った。②常圧下および暗所の結晶構造解析および分光測定:通常の吸収や発光のスペクトルを、現有設備で効率的に測定した。③超高圧下のX線結晶構造解析および高強度光励起下の分光測定:超高圧は兵庫県立大学との共同研究により、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて実現した。DAC条件でのX線結晶構造解析は、(株)リガクの協力を得た。レーザー照射による時間分解スペクトル測定は、現有設備を用いた。④理論化学計算:密度汎関数理論計算を中心に、結晶中の分子間相互作用の理論的評価を行った。⑤総括:本研究の三つの目的の達成にかかる議論を行った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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