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味覚受容体と物質の弱い相互作用がもたらす生理反応の解析

公募研究

研究領域マテリアルシンバイオシスための生命物理化学
研究課題/領域番号 21H05524
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅱ)
研究機関岡山大学

研究代表者

山下 敦子  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (10321738)

研究期間 (年度) 2021-09-10 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
キーワード味覚受容体
研究開始時の研究の概要

味覚受容体は、食物に含まれる物質を感知して味覚を引き起こす、センサータンパク質である。これらの味覚受容体は、口の中だけでなく、生体内の様々な器官にも発現しており、味覚以外の多様な生理機能に関与するのではないかと考えられている。一方、これらの生理機能については不明な点が多い。そこで本研究では、実験動物の1つであるメダカを用いて、「味覚受容体が生体内のいつ、どこで、何の物質を感知し、どのような生理反応に関わるか」を、分子レベルから個体レベルにわたって解析する。

研究実績の概要

メダカT1r2a/T1r3リガンド結合ドメインに対する新たなリガンドとして、塩化物イオンを見出し、示差走査蛍光測定による解析から、解離定数が約110 uMという弱い相互作用を示すことを明らかにした。さらに、変異体解析も含めたFRET解析から、この塩化物イオンの結合が、受容体応答を引き起こすアミノ酸と同様にリガンド結合ドメインの構造変化を引き起こすこと、共同研究から、塩化物イオンが種を問わずT1r3に作用し、実際にT1rを介して味覚を引き起こす生理作用を示すことを明らかにした。
また、メダカT1r2a/T1r3リガンド結合ドメインを用いたリガンド探索から、これまでに解析を行なってきたタンパク質構成性アミノ酸以外のアミノ酸も、同ドメインに対し結合を示すことを明らかにした。一方、受容体応答を誘起するアミノ酸については、T1r2a/T1r3リガンド結合ドメインに結合し同ドメインの構造変化を誘起することをこれまでに明らかにしていたが、FRET解析の結果、受容体応答を誘起しない非応答性アミノ酸についても、同ドメインに結合し、応答性アミノ酸と同様の構造変化を誘起するものがあることを見出した。
T1r3ノックアウト変異メダカを用いた表現型解析について、予備的解析では摂食行動や排卵行動について野生型メダカとの差異が見られたものの、個体数を増やした本解析を実施した結果、このいずれも変異メダカと野生型メダカの間に統計学的に有意な差異は見られないことが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Monell Chemical Senses Center(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [国際共同研究] Max Planck Institute(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] Chloride ions evoke taste sensations by binding to the extracellular ligand-binding domain of sweet/umami taste receptors2023

    • 著者名/発表者名
      Atsumi N, Yasumatsu K, Takashina Y, Ito C, Yasui N, Margolskee RF, Yamashita A
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 12

    • DOI

      10.7554/elife.84291

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 味覚受容体の構造と働き2021

    • 著者名/発表者名
      山下敦子
    • 雑誌名

      milsil

      巻: 14 ページ: 6-8

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Chloride ion-binding to the extracellular ligand-binding domain of sweet/umami taste receptors evokes taste sensation2023

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Yamashita, Nanako Atsumi, Keiko Yasumatsu, Yuriko Takashina, Chiaki Ito, Norihisa Yasui, Robert F. Margolskee
    • 学会等名
      The 19th International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Perception
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] メダカ由来味覚受容体T1R2a/T1R3細胞外領域のリガンド結合解析2022

    • 著者名/発表者名
      石田 光,安井 典久,山下 敦子
    • 学会等名
      日本味と匂学会第56回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] メダカ由来味覚受容体T1R2a/T1R3リガンド結合領域に対する疎_性アミノ酸の作_解析および結合構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      新田純矢、安井典久、堤尚孝、山下敦子
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] フグ由来味覚受容体T1R1/T1R3リガンド結合領域の試料調製とリガンド結合解析2021

    • 著者名/発表者名
      溝口 楽人,吉田 高志,細谷 麻以子,伊藤 千晶,芦川 雄二,安井 典久,山下 敦子
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] メダカ由来味覚受容体T1R2a/3細胞外領域のリガンド非結合状態における立体構造解析2021

    • 著者名/発表者名
      新田純矢、廣瀬未果、加藤貴之、山下敦子
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] メダカ受容体構造に見る味覚受容体の呈味分子認識2021

    • 著者名/発表者名
      山下敦子
    • 学会等名
      第15 回食香粧研究会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] おいしさの科学とフードテック最前線2022

    • 著者名/発表者名
      山下敦子(都甲潔監修)
    • 総ページ数
      435
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • ISBN
      9784781316758
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 食塩に含まれる塩化物イオンは、甘味受容体に作用し甘味を引き起こす

    • URL

      http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1055.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-10-22   更新日: 2023-12-25  

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