研究領域 | 超秩序構造が創造する物性科学 |
研究課題/領域番号 |
21H05551
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江草 大佑 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80815944)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | Mg合金 / 電子顕微鏡 / クラスター / STEM / LPSO |
研究開始時の研究の概要 |
Mgに微量の遷移金属元素および希土類元素を添加した合金は、顕著な高強度を示すと共に特異な規則構造を有する長周期構造(LPSO)相を形成することから注目されている。LPSO相の構造は溶質元素間の相互作用に誘起された超秩序構造であるL12型クラスターにより特徴づけられるが、その形成過程については明らかとなっていない。本研究では電子顕微鏡法を用いた直接観察によりMg合金中の溶質原子クラスターの構造を解析し、格子間原子導入を特徴とするL12型クラスターの形成過程を明らかとすると共に、相安定性などのマクロな材料特性に及ぼす影響を検討する。
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研究実績の概要 |
Mgに微量の遷移金属元素(TM)および希土類元素(RE)を添加したMg-TM-RE合金は溶質クラスターに特徴づけられる規則構造形成により高強度を発現する。近年の調査から、添加元素濃度が1%以下の希薄系においても溶質クラスターの形成が示唆されてきたが、クラスター配列が明瞭な長距離秩序を示さず、その局所構造は明らかとなっていなかった。本研究では電子顕微鏡法および放射光測定を用いた構造解析により、希薄Mg-TM-RE合金における溶質クラスター構造の解析を実施した。以下に本研究で得られた主な実績を述べる。 ①新規低対称クラスター構造の発見:原子分解能電子顕微鏡を用いた直接観察および特定元素種近傍の3次元原子配列を解析可能な蛍光X線ホログラフィーを併用することにより、希薄Mg-TM-RE合金において形成された溶質クラスター構造を決定した。決定したクラスター構造は既知のMg-TM-RE合金において確認されたL12型TM6RE8クラスターに対して元素置換を伴うMg3TM3RE8クラスターであり、対称性が低下した局所構造を示すことを見出した。 ②新規クラスター構造安定性の評価:電子顕微鏡および放射光測定を用いた分光測定により、希薄Mg-TM-RE合金における電子状態を評価し、フェルミ球-ブリルアンゾーン共鳴効果に由来する安定化が寄与していることを見出した。 ③熱処理に伴う溶質分布状態変化:Mg3TM3RE8クラスターを含む希薄Mg-TM-RE合金について、熱処理前後の試料を電子顕微鏡法および蛍光X線ホログラフィーにより評価し、高温熱処理に伴ってクラスター構造が溶解し、希薄固溶状態へと変化することを確認した。クラスター構造の溶解に対応して同合金の強度が低下したことから、クラスター構造形成が材料強度に寄与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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