研究領域 | 散乱・揺らぎ場の包括的理解と透視の科学 |
研究課題/領域番号 |
21H05583
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
秋山 正幸 東北大学, 理学研究科, 教授 (50425401)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 大気乱流 / 乱流高度分布 / 乱流光学測定 / 補償光学 |
研究開始時の研究の概要 |
複数のレーザーガイド星での大気揺らぎ測定とトモグラフィー推定法を組み合わせたレーザートモグラフィー補償光学は高精度の補償光学を実現する上で必須の手法である。大気揺らぎのトモグラフィー推定の精度は、事前情報である大気揺らぎ高度分布が鍵を握る。本研究ではすばる望遠鏡ドーム内にシャックハルトマン波面センサーを2台搭載した小型望遠鏡を設置してデータ取得し、シンチレーション情報を用いる独自手法のSH-MASS法と2台の波面センサーの空間相関を取るSLODAR法による解析を行い、広い高度範囲の大気揺らぎ高度分布を高い高度分解能で常時取得し、地表層を含む大気揺らぎの統計的振る舞いを理解することを目指す。
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研究実績の概要 |
複数のレーザーガイド星での大気揺らぎ測定とトモグラフィー推定法を組み合わせたレーザートモグラフィー補償光学は高精度の補償光学を実現する上で必須の手法である。大気揺らぎのトモグラフィー推定の精度は、事前情報である大気揺らぎ高度分布が鍵を握り、リアルタイムで大気揺らぎ高度分布の情報を取得することが課題となっている。 我々は2台のシャックハルトマン波面センサーを搭載した小型望遠鏡を、すばる望遠鏡のドーム内に設置し、大気揺らぎ高度分布の測定を行うため、必要となる測定系のパラメータの決定と設計を行った。特に地表付近の大気揺らぎをSLODARの手法で高い高度分解能で測定し、上空の大気揺らぎをSH-MASSを用いたシンチレーションの空間スケールで測定するために、瞳上で2cmのサンプリングとすることを決めて光学設計を固めた。光学設計の仕様に基づき、必要な望遠鏡、架台、光学系、光学機械系の購入と組み上げを進めた。 並行して、すばる望遠鏡にプロトタイプとなるシャックハルトマン波面センサーの測定系を搭載した測定を行うため、光学系の組み上げと、望遠鏡焦点への取り付けに向けた機械系の設計を行った。次年度前半には試験の測定を行い、大気揺らぎ高度分布の測定の精度の評価や問題点の洗い出しを行う予定である。 レーザートモグラフィー補償光学の波面測定ユニットは東北大学での組み上げおよび光学調整を完了した。今後はデータの取得とリアルタイムの波面推定計算のコードを組み込み、実時間の波面測定のシステムを完成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた測定系のパラメータの決定及び光学系の設計と必要な望遠鏡や光学系の購入は完了した。次年度はこれを組み上げて、試験的な測定に移ることを想定しており、研究開始時に予定していた計画に従って測定が進められると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
光学系の組み上げに必要な機械部品の製作を進め、東北大学付近での測定試験を速やかに進める方針である。試験観測を行うことで実際の測定にあたって問題となる点が明らかになる可能性はあり、早めに初期の測定を行うことが重要であると考えている。また並行してすばる望遠鏡に取り付けた試験機での測定も予定しており、この結果も含めて問題点の洗い出しが可能になると考えている。
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