研究領域 | 散乱・揺らぎ場の包括的理解と透視の科学 |
研究課題/領域番号 |
21H05589
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
湯川 博 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (30634646)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 量子ドット / 組織透明化 / 透視 / イメージング / 透視イメージング / 幹細胞 / オルガノイド / 補償光学 / 散乱光計測 / 移植細胞 / 生体イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
現状の医療手段では治療が極めて困難な疾患に対し、幹細胞やオルガノイドを移植する再生医療が非常に注目を集めている。しかし、生体由来の複雑な散乱・揺らぎ現象により、生体内深部に位置する組織・臓器に集積・生着する移植細胞、及びオルガノイドの高感度イメージング診断は、小動物に対しても未だ実現されていないのが現状である。本研究では、申請者が開発してきた量子ドット蛍光イメージング技術を、学術変革領域研究(A)領域代表・的場先生の独自技術である蛍光ディジタルホログラフィー技術に応用することで、生体内深部にある移植細胞の運命情報を取得可能な量子ナノ透視イメージング診断技術(QPID:キューピッド)を構築する。
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研究実績の概要 |
3.肝臓内における移植細胞の量子ナノ透視イメージング診断技術(QPID)の構築 CUBICなどの固定化組織・臓器に対する組織透明化技術を用いた予備的検討結果から、尾静脈投与された細胞は肝臓内の深部に集積する割合が多いことが分かっているが、これまでは、生きた状態では50マイクロメートル以上の深部にある細胞を観察できなかった。そのため、最適条件で透視化することで、炎症肝臓内深部における蛍光ラベル化された移植細胞やオルガノイドの動態や集積・生着状態の観察の実現に取り組んだ。その結果、約1ミリメートルの深さにある細胞中の量子ドットの蛍光を観察することに成功した。更に、長期間(2週間以上)観察することで、生着機構、分化効率など移植細胞の運命情報を取得可能な量子ナノ透視イメージング診断技術(QPID)を構築した。
4.移植細胞の炎症肝臓に対する再生治癒機構の解明 量子ナノ透視イメージング診断技術を駆使することで、これまで未解明であった移植細胞、オルガノイドと肝臓構成細胞(クッパー細胞(肝臓内マクロファージ)、類洞内皮細胞、肝実質細胞、肝星細胞)との相互作用について検証するとともに、炎症部位と非炎症部位における違いも検証した。これにより、移植細胞、オルガノイドが示す再生治癒機構の詳細な機序解明に貢献した。
これらの結果から、様々な細胞種や肝臓以外の深部臓器(肺、腎臓、膵臓など)への応用が可能であり、再生医療の基礎・臨床両面での貢献が期待される。また、未だ明らかになっていない、がん領域におけるがん微小環境の理解などにも応用が期待できる。更に、細胞内に葉緑体が多く存在し、散乱や揺らぎが大きく深部の観察が極めて困難な植物分野に対しても応用が可能であり、発展著しい植物発生学への貢献も期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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