公募研究
学術変革領域研究(A)
光伝播における「量子・古典」対応を手がかりに、量子測定理論を線形光学領域での実験計画に用いること、更には、線形光学領域の知見を量子計測の技術的なボトルネックを解消することを目的とする。散乱・揺らぎ場の影響により歪んでしまう光学系の「焦点」を対象にすることで、温度変化における焦点位置変化による蛍光量変化の解析を行う。また、量子測定理論の知見を用いた光軸方向に光学系を変化させることのない焦点距離移動系を考案し、機械学習の知見と融合することにより、焦点距離の自動調整機能を実装する。
光波に関する光軸伝播の方程式に関して、2次元のシュレディンガー方程式と等価となるという「光の量子・古典対応」と呼ばれる現象を用いて、新規イメージング手法の提案を行ってきた。量子状態の可視化技術として研究代表者らのグループが発展させてきた弱値イメージング技術を更に発展させ、部分偏光状態へ適用した。また、焦点距離移動を出来る光学系を提案し、焦点位置の決定精度に関する新しい技術を開発することに成功した。これらはヤキール・アハロノフ博士らによって提唱された弱測定理論を応用していったことによると考えている。これにより、量子測定理論を土台とした新規イメージング技術の確立が出来たと解釈することが出来、今後もこの考え方の延長線上で検討を進めることが出来るプラットフォームを確立させることが出来た。また、量子もつれ光状態に対する理論も完成させ、既に中国のグループとの国際共同研究で論文投稿もすませた。これにより、量子状態推定の一般論に拡張できる可能性を示すことが出来たと考えている。また最後に、光伝播位相の一つであるグイ位相の可視化技術を発展させることに理論的に解析することを行い、2次元上の画像からグイ位相を取り出す手法を提案することが出来、これを今後、実験的に実装できるように発展していけると考えている。これら理論的な観点からも実験的な観点からも「光の量子・古典対応」から導かれる新しいイメージング技術の発展に寄与し、散乱透視学の学術変革領域に学術的な観点から貢献できたと考えている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
Physical Review D
巻: 105 号: 10 ページ: 102004-102004
10.1103/physrevd.105.102004
Scientific Reports
巻: 12 号: 1 ページ: 9935-9935
10.1038/s41598-022-13329-4
Annalen der Physik
巻: - 号: 2 ページ: 2200140-2200140
10.1002/andp.202200140
https://sites.google.com/gunma-u.ac.jp/slab/research