研究領域 | 不均一環境変動に対する植物のレジリエンスを支える多層的情報統御の分子機構 |
研究課題/領域番号 |
21H05656
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中道 範人 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90513440)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 植物 / 概日時計 / 温度補償性 / 温度環境 / 時計 / リジリエンス / 周期 / タンパク質 / ユビキチン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
概日時計は約24時間周期長の振動子であり, 様々な生理現象の発現する時刻を統御することで, 植物が昼夜の環境変化に適応することに寄与している. 時計の重要な性質の1つに光環境変化や内的な代謝変化に対しても時計周期は抵抗性を示すものが知られている. この抵抗性は「天候・季節の変化や木漏れ日等によって局所的(不均一)かつ不規則に変化する光や温度への植物のレジリエンスの一環」として捉えられよう. 本研究は, 新たに見出している時計タンパク質の温度依存的な制御を中心に, 不規則に変化する温度環境の変化に対する植物時計のレジリエンスのしくみの理解を目指す.
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研究実績の概要 |
時計の重要な性質の1つに「周期の温度補償性」とよばれる環境の温度変化への抵抗性が知られており、これは刻々と変化する環境下でも一定の時計進行スピードを保つ意義がある。一般に温度が高くなれば化学反応の速度は速くなることが、「アレニウスの式」によって示されている。時計の周期の温度補償性は、アレニウスの式から逸脱した反応であり、その謎は現在も多分野の科学者の興味を引きつけている学術的にも重要な課題だ。 私たちは温度補償性のメカニズムの解明を目指して、周期変異体セットの形質を解析したところ、prr5 toc1 二重変異株が極めて損なわれた温度補償性の形質を示すことを見出した。これは、PRR5と TOC1の機能が温度に依存することを暗示していたが、実際に低温でPRR5とTOC1タンパク質量が減少することを見出した。この減少に先立って、PRR5とTOC1はポリユビキチン修飾を受けていた。PRR5とTOC1タンパク質の分解を担う主要なE3リガーゼはZTLであるが、ztl変異体においても低温でのPRR5とTOC1の分解は滞っていなかった。またztl変異体の温度補償性は、野生型のものと同等であったため、ZTLは温度補償性制御に関わらないと考えられる。低温依存的なPRR5とTOC1の分解制御機構を解明するために、低温依存的な相互作用因子の探索を質量分析で行なったところ、新たなE3リガーゼが見出された。このE3リガーゼを欠損した株では、低温依存的なPRR5とTOC1のユビキチン化および分解が滞っていた。 以上、温度補償性に関わる新たな分子メカニズム「低温依存的な時計のブレーキ因子の分解」を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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