研究領域 | 不均一環境変動に対する植物のレジリエンスを支える多層的情報統御の分子機構 |
研究課題/領域番号 |
21H05668
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
太治 輝昭 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (60360583)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 高温耐性 / 長期高温ストレス / 熱形態形成 / シロイヌナズナ野生系統 / ステージゲート / 環境ストレス応答 / 多様性 / シロイヌナズナ / ステージゲート応答 / 植物の高温応答 / 長期高温耐性 / 野生系統 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の高温応答については、分単位の転写ネットワークや時間単位の熱形態形成が良く知られている。一方、申請者らの先行研究により、分単位の短期的な高温と数日間にわたる長期的な高温に対する耐性は独立したメカニズムに因ることが分かってきた。植物は高温の長さや強度に応じてステージゲートを設けることで応答の最適解を選択していると考えられるが、時間軸に沿ったシグナルネットワークの変遷・制御の理解には至っていない。そこで本研究では、短期・長期高温応答に寄与する遺伝子群を同定し、高温の時間軸に沿ったシグナルネットワーク統御を明らかにすることで、植物の高温に対するレジリエンス機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
植物は高温の長さや強度に応じてステージゲートを設けることで応答の最適解を選択していると考えられるが、時間軸に沿ったシグナルネットワークの変遷・制御の理解には至っていない。本課題では、短期・長期高温応答に寄与する遺伝子群を同定することで、時間軸に沿ったシグナルネットワークの変遷・制御を明らかにし、植物の高温に対するレジリエンス機構解明を目指した。数百のシロイヌナズナ野生系統を用いて長期高温に対する耐性評価を実施したところ、その耐性に大きな多様性が認められた一方、GWASでは有意な相関を示すSNPは検出されず、この高温耐性については、野生系統により寄与する遺伝子座が異なる、あるいは複数の遺伝子座が耐性に関与することが示唆された。そこで比較的耐性を示したCol-0と高感受性を示すMs-0を用いて遺伝学的解析に供した結果、その耐性の違いを決定するLong-term Heat Tolerance1 (LHT1)の同定に成功した。LHT1はRNA結合タンパク質をコードしており、長期高温条件下における転写後調節への関与が考えられた。RNA-seq解析の結果、Col-0と比較してNIL_Ms-0では長期高温条件下において選択的スプライシングに異常が認められた。また、長期高温耐性に寄与する遺伝子の同定を目的に、長期高温耐性を示すCol-0種子にEMS処理による突然変異を誘発させ、そのM2種子を用いて長期高温感受性変異株(sensitive to long-term heat)のスクリーニングを行い、sloh3とsloh63を単離した。興味深いことに、sloh3およびsloh63の原因遺伝子は、どちらもLHT1と共に複合体を形成してスプライシングに寄与することが示唆されている遺伝子であった。以上より、シロイヌナズナの長期高温耐性には、転写後プロセシングの制御が重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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