研究領域 | 脳の若返りによる生涯可塑性誘導ーiPlasticityー臨界期機構の解明と操作 |
研究課題/領域番号 |
21H05675
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
能瀬 聡直 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30260037)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 臨界期 / 自発活動 / 運動回路 / 電気シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
動物は自身が生み出す運動の結果を常にモニターし、その成否に照らして神経回路を再編成することで、柔軟かつ適切な運動制御を可能とする。本研究では経験依存的な運動回路発達の臨界期をショウジョウバエ幼虫をモデルとして探る。これまでに胚発生過程における運動経験が機能的な運動回路の発達に必須であることを示し、また運動経験の感覚フィードバックの作用を受けて機能を発現し運動回路発達の足場として働くような電気シナプス依存性の神経回路を同定している。本研究では、この足場回路が感覚フィードバックを介して化学シナプス依存性の完成回路に再編成される過程を解明するとともに、その臨界期制御の分子機構を探る。
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研究実績の概要 |
動物は自身が生み出す運動の結果を常にモニターし、その成否に照らして神経回路を再編成することで、柔軟かつ適切な運動制御を可能とする。発生・発達期に特に顕著なこの可塑性は動物が適応的な行動を実現するのに必須の機構だがその仕組みは不明である。本研究ではショウジョウバエ幼虫をモデルとしてこの問題に迫ることを目的とした。以前の研究により運動経験の感覚フィードバックの作用を受けて機能を発現し運動回路発達の足場として働くような電気シナプス依存性の神経回路を同定している。この足場回路は脊髄の各分節に存在する2ペアのニューロン(A27hおよびMニューロン)からなり、体節間をつなぎ運動ニューロンを順次活性化するような構造をもつ。足場回路は運動回路形成の最初期からIP3シグナリング依存的な自発活動を示すが、この自発活動を阻害すると胚の自発的筋収縮が損なわれることから、足場回路は自発活動により筋収縮を誘導し、その結果起こる感覚フィードバックにより自身のGJを誘導するという自己構築の仕組みが明らかになった。昨年度計画においてはこの回路再編過程の臨界期の同定と操作を試みた。その結果、胚発生後期の特定の時期における足場回路の自発活動およびGJの機能が運動回路の正常な発生に必須であることを示した。本年度は逆に光遺伝学を用いて上記の臨界期において足場回路の活動を強制的に亢進したときに、運動回路の発達に変化が起こるかを調べた。2つのパターン (1Hz、100msおよび0.125Hz、4秒)のパルス状の光刺激により足場回路を強制的に活性化したところ、いずれの場合も孵化直後の幼虫の蠕動運動が有意に遅くなることが観察された。以上の結果から、臨界期における足場回路の活動の阻害、過剰活性化が共に正常な運動回路発達を阻害することが示され、この回路の活動が適切に制御されることの重要性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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