研究領域 | DNAの物性から理解するゲノムモダリティ |
研究課題/領域番号 |
21H05739
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 圭志 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50332268)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 液-液相分離 / 非コードRNA / 分裂期染色体 / コンデンシン / 天然変性領域 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞分裂期(M期)染色体には、約4,500種類のタンパク質に加えて、1,000種類を超える非コードRNAが局在する。研究代表者は、M期染色体に局在するRNAが、コンデンシンIのM期染色体への局在とM期染色体の構造の制御に関与することを見出した。また、予備的な研究結果から、コンデンシンIのM期染色体への結合が、コンデンシンIとRNAとの液-液相分離により促進されることが示唆された 本研究では、コンデンシンIの液-液相分離を促進するRNAを探索・同定し、それらが液-液相分離を介してコンデンシンIの局在や活性、M期染色体の凝縮や分配をいかに制御するか解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、コンデンシンIのM期染色体の軸への濃縮にコンデンシンIと非コードRNAとの液-液相分離 (LLPS)が関与するとの仮説をたて検証を進めた。研究代表者らは、LLPSの阻害剤である1,6-ヘキサンジオール (1,6-HD)処理によりコンデンシンIがM期染色体から解離するが、LLPSの阻害活性が低い2,5-HDは、コンデンシンIのM期染色体局在へあまり影響を与えないことを見出した。本年度の研究では、Image Jソフトウェアを用いた画像解析により、1)M期染色体に結合しているコンデンシンIの割合、2)細胞質に対するM期染色体へのコンデンシンIの蛍光強度、3)染色体とコンデンシンIの局在している領域の共局在度、を定量した。1)、2)、3)ともに1,6-HD処理で有意に低下した。一方、2,5-HD処理は有意な影響を与えなかった。これらの実験結果から、コンデンシンIのM期染色体局在にLLPSが関与することが定量的に示された。 また、研究代表者らは、コンデンシンIIのhCAP-D3サブユニットのC末端側の9つの塩基性アミノ酸を介してPP2AのB55サブユニットと特異的に結合することを見出した。タンパク質のリン酸化状態の変化がLLPSに関与する可能性があることから、コンデンシンIIとPP2AのB55サブユニットとの結合がLLPSを介してコンデンシンIIの局在やM期染色体動態に及ぼす可能性に着目した。そのため、9つの塩基性アミノ酸をアラニンに置換したhCAP-D3(9A変異体)とEGFPの融合タンパク質を安定発現したHeLa細胞株を作製し解析を行ったところ、9A変異体ではコンデンシンIIの染色体局在が損なわれ、染色体架橋を持つ細胞の割合が増加した。この結果から、コンデンシンIIとPP2A-B55の結合がM期の正確な染色体分配に重要な役割を持つことが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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