研究領域 | 素材によって変わる、『体』の建築工法 |
研究課題/領域番号 |
21H05777
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 健郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30209639)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 形態形成 / 珪藻 / 力学的適応 / ものづくり / バイオメカニクス |
研究開始時の研究の概要 |
我々は,珪藻が精妙な美しい被殻を構築するメカニズムを解明して新たな微細加工技術(バイオマイクロマシニング)を創出することを目指し,長円筒状珪藻Aulacoseiraの被殻形態に対する曲げ刺激の影響を調べている.その過程で,この珪藻が相当な曲げを受けても折れずに伸張する,即ち外力によらず形態形成できること,形成原理から考えて世代毎に細くなる筈の珪藻が殆ど細くならないなど,興味深い現象に気付いた.そこで本研究ではこれらの謎を解明して珪藻の被殻構築メカニズムの真理に迫る.
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研究実績の概要 |
1.Aulacoseiraの3点曲げ試験による力学特性計測 研究初年度に開発した3点曲げ時の力学特性計測装置を用い,Aulacoseiraの曲げ剛性を調べた.Aulacoseira群体(長さ250ー1200 μm,直径7.53 ± 0.60 μm, mean ± SD, n = 15)に対して破断まで3点曲げ試験を行った結果,荷重-たわみ曲線はほぼ原点を通る直線と見なせ,その傾きは 0.27 ± 0.13 N/mとなった.また,破断荷重は3.25 ± 1.69 μN,破断たわみは12.14 ± 4.47 μm/200 μmであった.梁の3点曲げ理論より,Aulacoseiraを円筒管と仮定した際の壁のヤング率を推定した.実測された壁厚は0.5 μm,直径は実測値として計算したところ,被殻のヤング率は0.70 ± 0.23 GPaと得られた. 2.内圧が作用する長円筒管の3点曲げシミュレーション 内圧負荷により珪藻が破断する内圧が変化する可能性を考え,有限要素法を用いて長円筒管の3点曲げ変形をシミュレーションした.特に破断しやすい条件と考えられる2枚の薄い被殻がオーバーラップしただけの部分を3点曲げの中心に置いた場合の内圧と破断の関係を調べた.外径7.5 μm,薄い被殻部分の壁厚0.125 μm,薄い部分の被殻のヤング率700 MPaとし,ひずみが5%を超えた時点で塑性変形を開始すると仮定し,内圧を0ー1.5 MPaとおいて計算したところ,塑性変形を開始する曲げモーメントは内圧増加に伴いほぼ線形に上昇することが判った.これより珪藻細胞内の高い内圧が薄い比較部分での破断を防止している可能性が示された.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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