研究領域 | 素材によって変わる、『体』の建築工法 |
研究課題/領域番号 |
21H05783
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲木 美紀子 大阪大学, 理学研究科, 講師 (10747679)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 形態形成 / 細胞外基質 / 時空間制御 / 器官形成 / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
組織の形態は、その機能発現に必須であり、遺伝的に厳密に決められている。例えば、消化管は、他の臓器と結合できる向きや大きさでなければならない。器官の形態は、それを構成する細胞の移動や変形によって形作られると考えられているが、非細胞素材の寄与については、あまり明らかにされていない。申請者は、ショウジョウバエの消化器官の形態形成時に、細胞外基質が時空間的に特異的に局在制御されることを見出した。本研究では、この細胞外基質の局在制御にかかわる因子を同定し、細胞外基質の硬さや構造の変化導入が組織形成に及ぼす影響をin vivoで調べることにより、非細胞素材が消化器官の形態形成を制御する機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
組織の形態は、その機能発現に必須であり、遺伝的に厳密に決められている。例えば、消化管は、他の臓器と結合できる向きや大きさでなければならない。組織の形態は、それを構成する細胞の移動や変形によって形作られると考えられているが、非細胞素材の寄与についてはあまり明らかにされていない。非細胞素材の中に、基底膜を構成する細胞外マトリックスがあげられる。基底膜は、組織の外側を取り囲み、組織の形態維持や透過性の制御に不可欠であるが、細胞外マトリックスが、組織の形態形成そのものに寄与する可能性が考えられる。本研究課題は、ショウジョウバエ胚の消化管をモデル系として、非細胞素材である細胞外基質による消化管の形態形成機構を明らかにすることを目的とした。 ショウジョウバエ胚の後腸は、初め左右対称な構造として形成された後、左ねじ回りに捻転し左右非対称な形態となる。その左右非対称な捻転時に、細胞外基質であるコラーゲンIVが時空間的に特異的に後腸の周囲で抑制されていることを見出した。その抑制が、後腸の捻転に必須なのではないかと考え、その制御因子を探索したところ、インテグリンおよびマトリックスメタロプロテアーゼが後腸でのコラーゲンIVの蓄積を負に制御することがわかった。インテグリンと2つの冗長的なマトリックスメタロプロテアーゼの3重突然変異体では、後腸の捻転が異常となることがわかり、細胞外基質の局在制御による形態形成の機構が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ショウジョウバエ胚の後腸の形態形成過程において、基底膜を構成する細胞外基質であるコラーゲンIVを制御する因子をタンパク質の局在を調べることにより探索したところ、負の制御因子としてインテグリンおよびマトリックスメタロプロテアーゼを同定することに成功したから。
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今後の研究の推進方策 |
インテグリンと2つの冗長的なマトリックスメタロプロテアーゼの3重突然変異体では、後腸の捻転が異常となり、コラーゲンIVの異常蓄積も観察されたが、いずれもその効果は弱く、他にも制御因子が存在すると考えられる。コラーゲンIVの局在制御を行う可能性のある候補因子をさらに探索する、特に基底膜成分であるラミニンやパールカン、ニドジェンなどに着目して研究を行う。より強い効果が表れたものに関しては、ライブイメージングによるコラーゲンIVの分布制御の解析を行う。
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