研究領域 | 素材によって変わる、『体』の建築工法 |
研究課題/領域番号 |
21H05784
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古川 可奈 大阪大学, エマージングサイエンスデザインR3センター, 特任助教(常勤) (70807461)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 輪状軟骨 / 気管 / 再生医療 / パターン形成 / コラーゲン線維 / 組織形成 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、呼吸をして生きている。どんな動きをしても呼吸を維持し続けることができるのは、気管が特殊な組織構造を持つためである。気管は主に軟骨・靭帯・平滑筋・上皮細胞で構成されており、軟骨と靭帯で構成された特異的なパターン構造を持つ。特に、軟骨が馬蹄型を取ることが、気管の管構造維持に必須である。しかし、この軟骨の特殊な形状を生み出すメカニズムは不明である。本研究では、コラーゲン線維の形成タイミングに着目し、申請者が確立した誘導法を用いて輪状靭帯・輪状軟骨外膜のコラーゲン線維による軟骨細胞の動きの制御解析から、輪状軟骨の“形”が作られるメカニズムの解明に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究は、気管組織の輪状軟骨の"パターン"と"形"が何によってどのようにして形成されるのか、そのメカニズムを細胞主体ではなくコラーゲン線維などのECMに着目して明らかにすることを目的としている。産休取得により延長された本年度は、輪状軟骨が周囲の細胞(輪状靭帯細胞や平滑筋細胞)によって形成できるエリアの制限がなされているかの解析と、発生中期におけるコラーゲン線維の形成状態の解析、そして、コラーゲン線維を重合させる酵素類の発現解析を行った。結果、間充織細胞から平滑筋細胞が最初に分化する様子が観察されたことから、背側に軟骨組織が形成されない理由として平滑筋細胞により背側エリアの制限がなされていることがわかった。一方、靭帯細胞と軟骨細胞の分化を解析すると、軟骨細胞への分化が先行して生じている様子や、SHG顕微鏡を用いた観察により、靭帯を形成するコラーゲン線維形成が受精13日目前後ではあまり発達していない様子が観察された。この結果から、輪状軟骨がパターンを生じることに輪状靭帯組織形成の寄与は低いと予想される。合わせて、軟骨組織形成に関わるコラーゲン線維を重合させる酵素の発現パターンは、間充織細胞塊が形成されてから上昇する傾向にあることがわかった。これらの結果をまとめると、パターン形成・形状形成は軟骨細胞自らが発現するコラーゲン線維によってなされる可能性が高いこと、形状形成の一部は平滑筋細胞が担っている可能性が高いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産休取得により多少の研究計画の遅れはあるものの、順調に実験を行うことが出来ており結果も得られていることから、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果により、発生期における気管組織が力学的要素で形成される可能性を示す結果も得られている。今後は、数理モデルの研究者との共同研究も発展させ、コラーゲン線維による輪状軟骨組織形成メカニズムについて、力学・分子、どちらの面からもアプローチを行っていく。
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