研究領域 | 実世界の奥深い質感情報の分析と生成 |
研究課題/領域番号 |
21H05807
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白松 知世 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (30750020)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 音楽 / リズム / 聴覚野 / ラット / 同期運動 / 質感 / 身体運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は音の質感として,音楽のリズムに注目し,なぜリズムは我々の身体運動を誘起するのに,他の動物種では必ずしも身体運動を誘起しないのか,という問いについて2つの仮説を検証する.具体的には,ラットの聴覚野の運動計測と脳活動計測に基づいて,種固有の運動リズム特性と,脳のリズム情報処理の特性のどちらが,リズムに同期した身体運動を決定づけるのかを検証する.本研究は,音楽における音の質感を題材に,質感を理解するうえで,感覚系に加え,感性的価値や情動,身体反応,行動などの重要性を示す.
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研究実績の概要 |
本研究は,音の質感として音楽のリズムに注目し,リズムが身体運動を誘起するメカニズムを明らかにすることを目的とする.具体的には,ラットを研究モデルとして,リズムに同期した身体運動を決定づけるのは,種固有の運動リズム特性か,それとも脳のリズム情報処理の種固有の特性かを検証する. 本年度は,刺激音に対するラット聴覚野の神経活動を解析した.ラット聴覚野の第四層に微小電極アレイを刺入し,活動電位を多点計測した.刺激音として,リズムが明確な音楽 (モーツァルトのピアノソナタK.448) を,原曲のテンポに対して100% (132 BPM (beat per minute)),75%(99 BPM),200% (264 BPM),300% (396 BPM),400% (528 BPM) の再生速度で提示した.ビートにおける神経活動の強調を定量化するために,ビートと,それ以外の音に対する活動電位の比率を算出した.その結果,75,100,200%のテンポについては,神経活動がビートで強調されていた. さらに,ビート音の強調の神経基盤を明らかにするため,単純なリズム系列に対する神経活動データから,聴覚野の順応モデルを作製した.本モデルと先行研究で提案されてきた一般的な神経細胞モデルで順応特性を比較したところ,本モデルは,聴覚野が250 ms未満の間隔で提示される刺激に対して特に強く順応することを示唆した.さらに,音楽様のリズム刺激に対するビート強調も,本モデルが最もよく再現できた. これらの結果と前年度の結果を合わせると,リズムに同期した身体運動を決定づけるのは,身体に依存した種固有の運動リズム特性ではなく,聴覚野の順応特性を基盤とした,脳のリズム情報処理の特性であることを示唆する.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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