研究領域 | フレーバー物理の新展開 |
研究課題/領域番号 |
22011009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
野村 正 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (10283582)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2010年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 素粒子実験 / K中間子稀崩壊 / 高計数率 / 光子検出器 / 荷電粒子検出器 / 大強度陽子加速器施設J-PARC |
研究概要 |
本研究の目的はK中間子稀崩壊実験において、中性ビーム中に導入する検出器の性能を向上するための基礎開発を行なうことである。 中性K中間子が中性パイ中間子と二つのニュートリノに崩壊する過程の研究は素粒子標準模型の検証とそれを超える物理の探求にインパクトを持つ。稀現象なので大強度ビームが必要とされ、高計数率環境下でも検出器性能を保つことが実験感度向上の鍵となる。本計画では(1)反応速度が速く高速粒子にのみ感度を持つチェレンコフ放射を利用した光子検出器、(2)低物質量の荷電粒子検出器、に焦点を絞って基礎開発を行ない、将来の高感度化に向けた技術確立をめざす。 平成23年度は、高計数率に耐性のある光電子増倍管ベースの開発、および、荷電粒子検出器の読み出し回路開発と性能評価を行なった。評価は個別デバイスを単体で試験する方法と検出器として組み上げた総合試験とのそれぞれで行なった。 第一項については光電子増倍管の計数率耐性を指標として、光電子増倍管とベースを組み合わせた総合性能を評価した。印加電圧を下げ増幅率を低くして平均アノード電流を抑えることによって耐性が向上する様子を確認した。これにより応用を想定している稀崩壊実験で予想される計数率においても十分な性能を発揮できるパラメータが確認された。 第二項については、シンチレーション発光の読み出し用の高速アンプの開発を行なう。シンチレータと波長変換ファイバーを組み合わせた検出器を製作し、読み出しに光電子増倍管やピクセル型デバイスを使用した場合の増幅器を開発して、増幅率やノイズ削減などの基本性能に加えて、高計数率に対応できる性能を確認できた。また、大強度陽子加速器施設J-PARCの中性ビーム中に試験器を導入し、波形記録をするなど、動作の確認と性能評価のためのデータ収集を遂行した。
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