公募研究
特定領域研究
1.最近、発見されたピセン超伝導体の電子構造等の解説を行なった。また最近、超伝導性が発見されたpiceneアニオンの電子-フォノン相互作用結合定数を見積もり、超伝導性の考察をした。piceneアニオンの超伝導性は電子-フォノン相互作用で説明できることを示した。日本経済新聞2011年11月7日朝刊の11頁に「液体窒素で超伝導に:長崎総合科学大 有機物、計算で導く」という見出しで研究内容が紹介された。また本年度の研究成果が引き金となり、本研究代表者の2002年のJ.Chem.Phys.の論文が世界中に広く認知されるようになり、ここ半年間で、非常に高い被引用回数となった。なお、そのうちの2編はnatureの論文に最後のまとめとして長い文章で引用されていて、我々の研究が、高温超伝導実現に大きな指針を与える事が示されている。2.TTF-TCNQ分子性結晶固体など、分数電荷を持つインコメンシュレート系において、正確に電子-フォノン相互作用を見積もる計算方法を世界で初めて開発した。我々の計算結果はPaulisusceptibility等から得られる実験結果と非常に良い一致を示し、計算方法の妥当性を示した。3.電子-フォノン相互作用の強さが、ドープ量とどのように関係しているかを考察した。閉殻電子系から、0.71~0.86の分数電荷だけドープされた分子性結晶固体において、電子-フォノン相互作用が非常に強くなる事を示した。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (12件) 図書 (2件)
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