研究領域 | フラストレーションが創る新しい物性 |
研究課題/領域番号 |
22014008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鄭 旭光 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (40236063)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2011年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 新規量子磁性 / 幾何学的フラストレーション / 水酸塩化物 / 均一系での秩序と非秩序の共存 |
研究概要 |
磁気的相互作用が均一でも幾何学的空間配置に起因してフラストレーションが生じ得る。最近、これら構造の新奇磁性が注目されている。Harrisらによって4面体スピン配置をもつ希土類強磁性体パイロクロアHo_2Ti_2O_7においてスピンアイスという従来予想外の状態が報告され、また同物質系の反強磁性体では量子液体状態の可能性が示唆され、これら均一結晶系での新しい量子相の性質が強い関心を集め、磁性研究のもっとも活発なトピックの一つになっている。 申請者は近年量子スピン系Cu2(OH)3Cl,Co2(OH)3Cl,Co2(OH)3Br,Ni2(OR)3Cl等における特異フラストレーション磁性を発見した。Cu2(OH)3Clは初めてのS=1/2量子スピンのパイロクロア構造で、且つ部分スピン液体状態の可能性が高いという評価を得ている。Co2(OH)3Clでは揺らぎを伴った強磁性相の存在、Co2(OH)3BrではCo2(OH)3Clと同じ結晶構造と磁気イオンにも関わらず複雑な逐次相転移と磁場誘起相転移の存在、Ni2(OH)3Clでは既存理論で説明できない新奇なダイナミック反強磁性磁気秩序、等の新奇量子磁性状態を観測した。本応募研究課題は2年間の期間中、特に興味高い量子磁性を示した物質に絞って純良単結晶の作製とこれらに基づく磁気構造の決定を目指した。これらによって、スピン揺らぎと秩序の共存と相転移の条件、及び新奇秩序がもたらす物理を明らかにすることを目標とした。 本研究によって多くの新規物質の合成を行い、磁化、比熱、中性子散乱、μSR測定により基本物性の把握を完了した。特に人工カゴメ物質の創製に成功し、新奇磁性を観察し、論文公表を行った。平成23年度以降はPhysical Review B論文1編を含め、論文多数を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的はほぼ達成し、多数の論文公表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は水酸塩化物で磁気・格子の相関に起因する他の特性を調査し、マルチフェロ等への応用を試みる。
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