研究領域 | 機能元素のナノ材料科学 |
研究課題/領域番号 |
22015008
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高村 由起子 (山田 由起子) 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (90344720)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2011年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2010年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | エピタキシー / 二ホウ化物 / 薄膜 / 気相成長 / 走査トンネル顕微鏡 / 機能元素 / 導電性セラミックス / シリコン |
研究概要 |
本研究では、超高真空化学気相エピタキシー(UHV-CVE)法による二ホウ化物薄膜のエピタキシャル成長に果たす機能元素の役割を解明し、薄膜の高品質化を目指す。金属二ホウ化物は高融点と高電気・熱伝導率を合わせ持つ導電性セラミックス材料であり、薄膜化することで、格子整合性に優れるIII族窒化物半導体の反射層、拡散防止層としての機能を兼ね備えた成長バッファ層や耐熱電極等、他の材料とのインテグレーションが可能となる。高純度ボロハイドライド蒸気を原料としたUHV-CVE法は、固体を原料とするプロセスでは避け難い酸素の混入を低減し、高純度かつ単結晶配向している二ホウ化物薄膜の成長を可能にした。更なる薄膜の高品質化を目的として、元素も含めた原子レベルでの表面・界面微細構造を明らかにし、得られた知見をもとに成長表面への積極的な機能元素付与など、プロセスへのフィードバックを試みる。今年度は、二ホウ化物薄膜の成長表面に基板由来のシリコンが存在することを放射光施設(BL-18A、KEK-PF)における表面敏感・高分解能Si_2p内殻準位光電子分光から明らかにした。このシリコンが機能元素として(0001)面を安定化・不活性化し、気相からの薄膜成長がテラス端から進んで行くために、広い領域において原子レベルで平坦な膜が得られていると考えられる。また、走査トンネル顕微鏡による成長表面の詳細な観察から、(0001)配向していない結晶粒の側面に観察された再構成構造がこの面を安定化し、異配向粒の一方向への成長を促していることが示唆された。異配向粒の成長端は(0001)配向結晶のテラス端と比較して小さいため、薄膜の高品質化にはこの異配向粒の成長を抑制するために二次核生成が起きない程度に気体原料を多く供給し、早い速度で成長することが望ましいとの結論が得られた。
|