研究領域 | カーボンナノチューブナノエレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
22016001
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
保田 諭 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (90400639)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2011年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 電気化学 / カーボンナノチューブ / ラマン分光 / グラフェン / Niナノ微粒子 / 酢酸 |
研究概要 |
グラフェン構造の基本ユニットとなる芳香族分子を炭素源として用い、気相/液相プロセスで低次元炭素材料の合成を試みる。また、その生成機構や欠陥構造の特徴を明らかにすることを目的とする。上記目的を達成するために、平成23年度は、室温での合成が可能な、電気化学プロセスをより発展させ、構造制御カーボン材料の液相合成を試みた。初めに、Niナノ触媒微粒子サイズがカーボン形成に与える影響について検証を行った。電析時間を制御することで、1nm程度のNiナノ触媒微粒子をAu電極上に担持可能であることを走査型トンネル顕微鏡により確認したのち、1%酢酸水溶液下、-1V以上のカソード電析を行った結果、微量ではあるが単層カーボンナノチューブが生成することをラマン分光法により見出した。一方、触媒サイズが1nm以上の場合では、単層カーボンナノチューブ形成が抑制され、ダイヤモンドライクカーボンが選択的に生成されることを明らかにした。 炭素源分子にギ酸、酢酸、プロピオン酸を用いて置換基効果についても検証を行った。電気化学還元重合を行った結果、炭素源分子の置換基の炭素数が増加するにつれ、グラフィティック構造由来のGバンドスペクトルの観察が困難になる傾向が得られた。この結果は、炭素数増加によりカルボキシル基への電子供与性が強くなることで、カーボンの還元重合が抑制されることが示唆される。以上、明白な触媒サイズおよび炭素源分子種依存性が観察され、液相合成での構造制御に関する基礎的知見が得られた。
|