研究領域 | カーボンナノチューブナノエレクトロニクス |
研究課題/領域番号 |
22016004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 新男 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50159068)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2011年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2010年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ナノチューブ / フェムト秒分光 / 励起子 / 光物性 / 励起エネルギー移動 / フラーレンピーポッド |
研究概要 |
1)分子修飾ナノチューブの作製と構造評価 電荷移動を起こすことが期待されるペンタセン、テトラセン分子を内包させたカーボンナノチューブを作製し、吸収スペクトル測定、ラマン分光、透過電子顕微鏡を用いて構造とエネルギー状態を評価した。昇華法を用いて、ペンタセン、またはテトラセン分子を単層ナノチューブに内包させることに成功した。ペンタセン内包ナノチューブの透過電子顕微鏡観察から、直径に依存して分子が1列または2列に配列して内包されることが明らかになった。吸収スペクトルにおいて、内包されたペンタセンまたはテトラセンの吸収がナノチューブの吸収に重畳して観測され、スペクトルの形状からこれらの分子はほぼ孤立して配列していることがわかった。 2)フェムト秒分光による励起子エネルギー移動過程の研究 テトラセン内包ナノチューブの発光スペクトルにはテトラセン分子による発光は観測されなかったことから、テトラセン分子からナノチューブへの強いエネルギー移動が示唆された。そこで、ポンプ・プローブ分光による過渡吸収スペクトルの測定からエネルギー移動レートの概算値を評価した。移動レートの値は~5×10^<11>s^<-1>であり、二層ナノチューブ間の移動レート(6.6×10~<12>s^<-1>)に比べて、約1桁低い値になることがわかった。芳香族炭化水素分子とナノチューブ間のエネルギー移動の知見が得られた。 3)半導体ナノチューブバンドルにおける励起子エネルギー移動過程の研究 全体の90%が半導体ナノチューブから成るバンドル試料の発光ダイナミクスを測定し、半導体ナノチューブ間のエネルギー移動レートを明らかにした。半導体、金属ナノチューブ混合系のバンドル試料から得られた移動レートをよく再現する結果が得られ、半導体ナノチューブ間のエネルギー移動レートが半導体-金属チューブ間のそれよりも高いことが確かめられた。
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