研究領域 | 分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解 |
研究課題/領域番号 |
22018014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 裕之 京都大学, 先端医工学研究ユニット, 准教授 (90343235)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2011年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 単一高分子鎖 / 表面・界面 / 薄膜 / 近接場光学 / 蛍光顕微鏡 |
研究概要 |
高分子材料表面の摩擦(ラビング)によって誘起される高分子鎖の配向を詳細に評価した。試料としてペリレンで蛍光ラベルされたポリメタクリル酸メチル(PMMA)のフィルムを用い、その表面をラビングした後、走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)による観察を行った。SNOM画像から鎖全体のコンホメーションを評価したところ、ラビング前後でほとんど変化していないことが分かった。一方、励起異方性によって鎖のセグメント配向を評価したところ、ラビング方向に強く配向していることが分かった。このことから、ラビングによって鎖めセグメントのみが局所的に配向することが明らかとなった。蛍光ラベル鎖を表面からの深さを精密に制御して配置することで、ラビングの影響が表面からどの程度の深さにまで影響するか検討を行った。その結果、セグメント配向が誘起されるのは表面近傍から10nm程度までの領域に存在する鎖であることが分かった。ラビングによるセグメント配向はPMMAのガラス転移点(100℃)より低い30℃においても配向が起こることが分かった。これは最表面における高分子鎖の運動性が向上しているためであると考えられる。また超解像光学顕微鏡の導入についても検討した。超解像顕微鏡では高分子鎖全体のコンホメーションを20nmの分解能で観察することができたものの、セグメントレベルの局所的な配向状態を十分に捉えることはできず、上記のラビングした薄膜における高分子鎖の配向を超解像顕微鏡で評価するには至らなかった。
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