研究領域 | 分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解 |
研究課題/領域番号 |
22018018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 (2011) 大阪大学 (2010) |
研究代表者 |
飯野 亮太 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70403003)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2011年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 1分子計測 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 分子モーター / 1分子イメージング / ATP合成酵素 / FRET / 大腸菌 |
研究概要 |
固定子aサブユニットにSNAPタグ、回転子εサブユニットにCLIPタグを導入したF_oF_1に Alexa647-benzylguanineおよびTMR-benzylcytosineを反応させ特異的結合を確認した。またリポソームに再構成した蛍光標識FoF1の1分子FRET計測を行い、回転子の向きを反映した3段階(L,M,H)のFRET効率が得られた。しかしながらFRETの経時変化計測では、一方向の回転に対応するL→M→H→Lといった順序だったFRET変化をみせた分子の割合は約20%と低く、L→M→Lのように2状態を可逆的に遷移する分子が多くみられた。この原因として、1)タグの位置が適切でなく蛍光色素の位置が一意に決まらない、2)リポソーム膜にきちんと再構成されていないFoF1の割合が高い、等の可能性が考えられた。1)の可能性を検証するため、タグの位置を変えたFoF1を様々に作製し改善を試みた。しかしながら現在までのところ大幅な改善には至っていない(1)。よって2)の可能性が高いと考えられた。 一方、大腸菌ではFoF1の細胞膜への再構成の効率は問題にする必要はない。そこで大腸菌での1分子計測を行うため、蛍光色素で標識後に菌体を培養し蛍光標識FoF1の密度を低下させた。その結果、細胞膜上を拡散する1分子FoF1の観察に成功した。しかしながら、Alexa647-benzylguanineの細胞膜透過性が低く、大腸菌内での1分子FRET計測には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予想と反し、順序だったFRET変化をみせた分子の割合は約20%と低く、L→M→Lのように2状態を可逆的に遷移する分子が多くみられた。Alexa647-benzylguanineの細胞膜透過性が低く、大腸菌内での1分子FRET計測には至らなかった。これらの点を解決する必要が生じたため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
光活性化蛍光タンパク質を用いた1分子FRET計測に取り組む。またFRET計測だけでなく、回転子と固定子に導入した2種の色素の向きを蛍光偏光で同時に1分子計測して回転速度を見積もる手法も試す。
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