研究領域 | 分子高次系機能解明のための分子科学―先端計測法の開拓による素過程的理解 |
研究課題/領域番号 |
22018028
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 近畿大学 (2011) 立命館大学 (2010) |
研究代表者 |
矢野 陽子 (藤原 陽子) 近畿大学, 理工学部, 准教授 (70255264)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2011年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2010年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 気液界面 / タンパク質 / 変性 / X線反射率 / X反射率法 / ダイナミクス |
研究概要 |
人工組織や生体物質を使った新しい機能性材料の開発など、医学的および技術的応用の両面においても生体物質と界面の相互作用を知ることは非常に重要である。昨年度は、X線反射率とその周囲に生じる微弱な散乱を精度良く計測することにより、タンパク質の界面垂直・水平方向の構造情報を同時に取得する手法を確立した。当該年度はこれを用いて様々な条件における球状タンパク質リゾチームの界面吸着過程を観測し、結果を体系化した。概要を以下にまとめる。 一般にタンパク質の界面吸着のドライビングフォースは、疎水性界面ならば疎水性相互作用、親水性界面ならば静電相互作用となり、前者は後者よりも大きなコンフォメーションの変化を引き起こす。また、母液の濃度が低いほど、界面吸着速度は遅くなり、より大きなコンフォメーションの変化を誘発する。 等電点よりも低いpHの場合は、リゾチームは正に帯電するため、リゾチーム同士の静電反発が大きくなって吸着速度は低下する。一方、等電点においては、吸着速度は増加するが、分子内の静電反発によって大きく変性する。イオン強度が大きくなると、リゾチーム同士の静電反発が遮蔽されるため、リゾチーム同士のファンデルワールス力が強くなる。 タンパク質の界面吸着のドライビングフォースは、吸着の初期段階ではタンパク質と界面の相互作用だけを考えれば良いが、界面被覆率が増加するに従って、タンパク質同士の相互作用が大きくなる。その結果、タンパク質のコンフォメーションは、吸着後も徐々に変化する。よって、このような変化を追跡できる測定法の開発は非常に重要である。
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