公募研究
特定領域研究
分裂酵母のRNAi依存性ヘテロクロマチンはヘテロクロマチン領域内で転写されるnon-codingRNAが引き金となるRNAi機構によって形成される。このnon-coding RNAの転写はG1-S期特異的におこることは報告されているがその制御機構は明らかでない。jumonji-domainタンパク質Epe1はヘテロクロマチンタンパク質Swi6との相互作用によりヘテロクロマチンに局在し、ヘテロクロマチン内転写を活性化することが知られている。我々はこのEpe1がG1-S期のnon-coding RNA転写活性化に必要なことを見いだした。また、epe1遺伝子欠損株では染色体分配の異常が起こることに気づき、その原因の解析から、姉妹染色体合着に必要なcohesinのヘテロクロマチン局在がepe1により活性化される転写に依存しておこり、その後coheisnのヘテロクロマチン局在にはG2期にnon-coding RNAの転写の抑制が必要であることを見いだした。このような細胞周期依存的転写制御による姉妹染色体分体接着の制御は今まで知られておらず、大変興味深い。またepe1による転写制御機構を解析する目的で、ドメイン解析をおこない、Swi6と相互作用する領域や、転写活性化ドメインを同定するとともに、C末領域にEpe1によるヘテロクロマチン制御に重要な領域の存在を明らかにした。これは未知であるEpe1の機能を解析する上で重要な知見である。
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Genes to Cells
巻: 17 号: 3 ページ: 218-233
10.1111/j.1365-2443.2012.01583.x
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
巻: (印刷中) 号: 16 ページ: 6159-64
10.1073/pnas.1116972109