研究領域 | 細胞周期フロンティア-増殖と分化相関 |
研究課題/領域番号 |
22019024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 達郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50452420)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2011年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 染色体接着 / 染色体分配 / 細胞周期 / ツメガエル卵無細胞系 / コヒーシン / DNA複製 |
研究概要 |
コヒーシンによる姉妹染色体の接着は正確な染色体分配に必須である。コヒーシンが染色体に結合するにはScc2-Scc4複合体が必要であり、姉妹染色体の接着はDNA複製と協調して成立する。この過程には、コヒーシンアセチル基転移酵素(CoAT)の機能が必要である。本研究では、Scc2-Scc4の染色体結合機構とその制御、およびコヒーシンによる姉妹染色体接着の分子機構について、ツメガエル卵無細胞抽出液による試験管内実験系を用いて解析した。 ツメガエルScc2-Scc4の染色体結合には、DNA複製開始に必須の蛋白質リン酸化酵素、DDKが必要である。本研究では、昨年度までにScc2のN末端1-110アミノ酸とScc4の全長が染色体結合能を有する複合体(Scc2N-Scc4)を形成することを発見していた。本年度はScc2N-Scc4を大腸菌で大量発現・精製することに成功し、Scc2N-Scc4はDDKと直接相互作用すること、および、この相互作用にはDDKの自己リン酸化が必要であることを見いだした。この結果は、Scc2N-Scc4にリン酸化ペプチド結合活性があることを示唆する。 接着成立の過程を理解するため、ツメガエルCoATであるXEco1およびXEco2の機能解析を行った。ツメガエル卵ではXEco1はほとんど発現しておらず、XEco2がコヒーシンのアセチル化と接着に必須であった。XEco2の染色体結合はDNA複製開始の初期過程であるpre-RC形成に依存しており、DNA複製には依存していなかった。XEco2の染色体結合とコヒーシンアセチル化はXEco2のN末端ドメインに存在する二つの新規モチーフに依存していた。脊椎動物Eco2はpre-RC形成と協調してコヒーシンをアセチル化することが示唆される。この研究に関する論文はCurrent Biology誌に受理済みである。
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