研究領域 | 細胞周期フロンティア-増殖と分化相関 |
研究課題/領域番号 |
22019029
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
相垣 敏郎 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (80150879)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2011年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 卵細胞 / 減数分裂 / 活性化 / カルシウムシグナル / カルシニューリン / 遺伝子ターゲティング / 発光レポーター / 生物発光 |
研究概要 |
多くの動物で、成熟した卵細胞の細胞周期は、減数分裂の途中で休止しており、受精によって再開する。このときCA^<2+>濃度が上昇し、減数分裂の再開を含む卵の活性化がおこる。様々生物において、その減少が確認されているが、代表的なモデル生物の一つであるショウジョウバエでは、その機構がよくわかっていない。減数分裂再開のシグナルは排卵の際に輸卵管から受ける機械的刺激がトリガーになっていると考えられている。研究代表者らは、CA^<2+>依存性フォスファターゼであるカルシニューリンのノックアウト変異体が減数分裂の再開異常を示すことを明らかにした。このことは、CA^<2+>シグナルと卵活性化の関連を示唆するものであるが、その直接的証拠はない。そこで本研究では、生物発光タンパク質(エクオリンーGFP融合タンパク質)を卵細胞特異的に発現するトランスジェニック系統を作製し、減数分裂再開を含む卵活性化に伴うCA^<2+>ダイナミクスを解析した。まず、トランスジェニック系統のメスの卵巣から高濃度の塩を含むHL3培養液中で未成熟卵を摘出した。これを水で希釈することにより(低張処理)、卵の活性化を安定に引き起す系を確立した。ルミノメーター中で低張処理を行い、卵からの発光を定量的に測定したところ、数分後に強いシグナルを検出することができた。この系を発光イメージング装置を用いて、イメージングすることに成功した(オリンパスとの共同研究)。また、ゲノムにコードされた5個のカルシニューリン全遺伝子について、遺伝子ターゲティング法により機能破壊変異体を作製し、卵細胞の活性化をしらべたところ、そのうちの3個の遺伝子が卵細胞成熟や減数分裂の再開にかかわっていることがわかった。これらの変異体におけるカルシウムシグナルはいずれも正常であり、これらの遺伝子が卵活性化によるカルシウムシグナルのダウンストリームの因子として機能していることを証明した。
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