研究領域 | 細胞周期フロンティア-増殖と分化相関 |
研究課題/領域番号 |
22019037
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
関 由行 関西学院大学, 理工学部, 専任講師 (20435655)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2011年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 発生・再生 / エピゲノ / 生殖細胞 / エピゲノム / 減数分裂 |
研究概要 |
始原生殖細胞は、レチノイン酸シグナルに応答して減数分裂へと移行する。本研究では、レチノイン酸に応答して減数分裂へ移行するために、始原生殖細胞による細胞分裂を介したエピゲノム情報の希釈が関与している可能性を検証した。 まず、始原生殖細胞において脱メチル化されるトランスポゾンであるLINE-1領域のメチル化状態をストランドごとに区別して解析した(Hairpi-bisulfite sequencing)。その結果、片方のストランドに偏ったヘミメチル化の出現頻度が脱メチル化過程において一過的に上昇しており、複製依存的な受動的な脱メチル化が誘導されている可能性が示唆された。そこで、始原生殖細胞の細胞増殖がDNA脱メチル化に関与しているか否か検証するために、始原生殖細胞の細胞増殖に異常が観察されるHP1γKO始原生殖細胞におけるDNA脱メチル化状態を解析した。その結果、HPlγKO始原生殖細胞ではDNA脱メチル化異常が観察され、始原生殖細胞の細胞増殖がDNA脱メチル化に関与していることが明らかとなった。また、始原生殖細胞で起こるエピゲノムネットワークをES細胞で再構成したところ、数多くの減数分裂関連遺伝子の発現誘導が観察された。始原生殖細胞はレチノイン酸により減数分裂への移行が誘導されることが分かっていたが、本研究によって、始原生殖細胞特異的なエピゲノム情報がレチノイン酸に対する反応性獲得に関与している可能性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、始原生殖細胞の細胞増殖がDNA脱メチル化に関与しており、DNA脱メチル化が減数分裂関連遺伝子の発現誘導を制御していることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、始原生殖細胞での脱メチル化を破綻させ、減数分裂への移行能を評価する必要がある。そのために、ES細胞から始原生殖細胞への分化誘導系を用いて検証する予定である。始原生殖細胞では、Dnmt3b,Uhrf1,Glpの発現抑制が起こるため、これらの因子を強制発現させたES細胞を作製し、始原生殖細胞へ分化させ減数分裂への移行を評価する。
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