研究領域 | タンパク質社会の研究の総合的推進 |
研究課題/領域番号 |
22020007
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西頭 英起 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特任研究員 (00332627)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2011年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | タンパク質 / 小胞体ストレス / Derlin-1 |
研究概要 |
新規小胞体品質管理機構pre-emptive quality control:PQC(予防的品質管理)は、細胞レベルの実験によりその現象が観察されているものの、はたして「小胞体品質管理機構として生理的に機能しているのか?」「そこに関わる分子は何か?」について、全く明らかになっていない。我々はALS病態分子メカニズムに関する研究の過程で、Derlin-1の獲得性機能障害により、シグナル配列を持つ前駆体型タンパク質が細胞質内に蓄積することを発見した。従って実際の疾患病態において、この小胞体品質管理システムの破綻が関与していることを示唆する結果を得ている。この知見をもとに本研究では、pQCのin cellおよびin vitro再構成実験系を構築し、そこに関わる分子群の同定を行った。また、pQCの生理的意義を明らかにするために、pQCの基質となる分子の同定を下記項目に従い研究を進めた。 ・精製ラット膵臓ミクロソームを用いたpQC再構成実験系を構築(in vitro) ・シグナル配列を持つ分泌タンパク質(pQC基質)の細胞質内蓄積を検出する系を構築(in cell) ・in vitro,inc cell pQCアッセイ系を用いてDerlinファミリーの役割を検討 ・小胞体ストレスによって、細胞質内に蓄積するpQC基質に結合する分子を同定 ・in cell pQCアッセイ系を用いて、siRNAライブラリースクリーニングによりpQC責任分子を同定・新規同定分子群の機能解析 ・小胞体内腔に翻訳合成される分子(分泌タンパク質やERシャペロンなど)のなかで、pQC基質となる分子とならない分子を明らかにし、基質タンパク質の構造からpQCメカニズムを解明
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
近年小胞体ストレスに関する研究は飛躍的に進んでいる。その一方で、いまだほとんど解明されていない小胞体ストレス応答の存在も指摘されている。新規小胞体品質管理機構pQCによるストレス応答は、培養細胞レベルの実験では示されているものの、その生理的意義や、そこに関与する分子については全く報告がないのが現状である。一方、シグナル配列を持つタンパク質が小胞体移行を阻害され翻訳と同時に分解されるという本研究成果は、タンパク質の輸送・局在の観点からもユニークであり、小胞体輸送の新規制御メカニズムが明らかになったという点で、その意義はきわめて大きいため。
|