研究領域 | 免疫系自己-形成・識別とその異常 |
研究課題/領域番号 |
22021013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
服部 浩一 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (10360116)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2011年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2010年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | プラスミン / マトリックスメタロプロテイナーゼ / GVHD / TNF-α / Fas-ligand / 細胞外ドメイン分泌 / 炎症性細胞 / 細胞移植 / 血液線維素溶解系 / フィブリノーゲン / 血液凝固系 |
研究概要 |
本研究は、移植患者のquality of lifeと生命予後に重大な影響を与える免疫関連難病である移植片対宿主病(GVHD)の病態発症機構の解明を通じ、セリンプロテアーゼ群に属する血液線維素溶解系(線溶系)を起点とした獲得免疫系の新たな制御機構の解明を主な目的としている。また各種炎症性サイトカインの細胞外ドメイン分泌(プロセシング)を制御するマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の新たな活性阻害法によるGVHDに対する分子療法、さらにはこれを基盤とした抗サイトカイン療法、免疫システム制御による各種炎症性疾患に対する新戦略の開発までをその目的の範疇とした。今年度の研究で、研究代表者らは、急性GVHD患者の血液中で、発症初期からその重症度に応じて、血液凝固・線溶系の亢進とこれに伴うMMPの活性化に加え、TNF-a、Fas-ligandやインターロイキン受容体等のGVHD病態を構成する炎症性サイトカインの血中濃度の上昇が存在することを明らかにした。さらに代表者らは、F1ハイブリッドのマウスモデルにおける急性及び慢性GVHDの誘導に成功し、急性GVHDマウスモデルの血液中においても同様のMMPの活性化とサイトカイン血中濃度増加が認められること、さらにMMP阻害剤、加えてMMP活性を上流から制御する線溶系因子プラスミンの活性阻害剤の投与により、GVHDによって形成される各種臓器中の組織病変、脾臓、末梢血中のリンパ球構成の変化、症状・重症度が、有意に改善することを明らかにした。本研究成果は、各種プロテアーゼ活性による免疫制御機構の一端を明らかにしたと同時に、本研究で見出された新規のプラスミン阻害剤は、MMP活性の制御を通じて、炎症姓サイトカイン分泌の抑制を誘導する作用を有しており、新たな分子標的、免疫制御療法の開発基盤として、今後の展開が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫関連難病である急性移植片対宿主病の病態と血液凝固・線維素溶解系因子活性との関連性を見出しただけでなく、治療薬候補を見出したことから、今後のトランスレーショナルリサーチ研究への展開という新たな指針も見出せたことから。
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今後の研究の推進方策 |
1.急性移植,片対宿主病(GVHD)のマウスモデルを使用して、本研究で見出されたプラスミン阻害剤の臨床上の有用性を確認する。さらに薬剤投与量の増減により、至適投与量、毒性、副作用についてさらに精査を進める。 2.本研究では急性GVHDのモデルマウスにおける有用性を見出したが、今後は慢性GVHDのマウスモデルを使用して、慢性病態に対するプラスミン阻害剤の有効性を精査する。
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