研究領域 | 免疫系自己-形成・識別とその異常 |
研究課題/領域番号 |
22021040
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 准教授 (30246079)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2011年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2010年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | Notchリガンド / T細胞 / 胸腺 / Notchシグナル / Cre/loxP |
研究概要 |
胸腺内T細胞分化を支持するNotchシグナルの分子機構解析 造血未分化細胞の胸腺への移行に始まるT細胞分化には、胸腺環境を担う上皮細胞を介したNotchシグナルの発動が必須であるが、その分子的詳細は明らかではない。これまで、未分化T細胞におけるNotchシグナルの解析には、Notchリガンド(NotchL):Dll1あるいはDll4を強制発現させたOP9細胞等の単層培養系が用いられてきた。しかし、これまでの我々の解析から、上記単層培養系にて調製された未分化T細胞は、胸腺内ではT細胞へ分化できないことが明らかとなり、単層培養系と本来の胸腺環境との間には、少なからず差異があることが示唆された。そこで我々は、Notchシグナルを付与しないT細胞分化環境として、Dll4欠失胸腺を用い、未分化T細胞への様々な遺伝子導入により、Notchシグナルを代替しうるシグナルについて調べた。Dll4非存在下に胸腺未分化T細胞(DN112画分)を胸腺器官培養にて分化誘導を行うと、ほとんどT細胞は分化しなかった。これは、TCR6鎖およびpTαの遺伝子導入を行っても改善しなかった。また、Notch下流にて機能することが示唆されるc-mycおよび活性化Aktの共発現によっても正常T細胞分化は再現できず、異常増殖が観察されるのみであった。これに対し、DN3画分のDP細胞への分化については、c-mycの恒常的発現によって、Dll4由来シグナルの欠失による分化停滞を限定的ながら回復させることが見出された。これらのことから、T細胞分化および正常細胞増殖の担保には、制御されたNotchシグナルの発動が重要であり、その本態としてc-mycが関与することが推察された。
|