配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2011年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2010年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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研究概要 |
本研究では主に次の二つの研究項目を進めた: A.空間統計解析に基づく臓器モデルとモデルマッチング法との融合による高精度画像理解, B.カーネル法に基づく超画素値空間における正異常構造のモデリングによる高精度画像理解. 項目Aでは,臓器各部の種類の異なる構造特徴を統一的に表現し,その統一表現された特徴を主成分分析することによって統計解析する手法を開発した.またその統計解析の結果を病巣・臓器モデルを基底する確率分布のパラメータに反映させることによって,従来の(統計情報を使っていない)手法よりも高精度に病巣を認識する手法を開発した.この手法の特色は,空間統計臓器モデルを用いて対象臓器の大局解剖学的知識を計算機内に具象化し,またマッチングモデルを用いて局所的画像情報を定量化・集約化し,さらにそれらをリンクし,知識と画像情報との関係を捉えることによって,高精度な画像理解を実現するハイブリッドな手法である点にある.また項目Bでは,病巣候補陰影をその大きさや種類によって分類した後に,画素値そのものを特徴とするサポートベクターマシンを用いることによって高精度に病巣認識を行う手法を開発した.また画素値を質量とみなし,その重心や慣性モーメントを基準に陰影の形状を解析し,さらに機械学習による陰影分類を適用することによって病巣陰影を認識する手法を開発した.この手法の特色は,カーネル法に基づき高次元空間への情報拡張を行い,その空間において最適識別面の設計を行うことによって情報喪失を最後まで回避することができる点にある.これらの手法を胸部X線CT画像から肺がんを自動検出する問題に適用し,検出精度の向上を確認した.
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