配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2011年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2010年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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研究概要 |
本研究は,「超音波定量診断学」及び「計算解剖学」の構築のため,病変により変化する生体組織音響構造のモデル化と,そのモデルを用いた超音波画像の計算機シミュレーション手法の確立,さらに得られた画像変化の知見から,臨床的な病変超音波画像の理解と診断支援を行うための枠組みを確立することを目的としている。 昨年度までに構築した病変組織の音響構造のモデル化手法を用いて,肝病変を対象に,肝炎からC型,B型肝硬変に移行する肝臓内の散乱体分布の状況をモデル化した。この方法は,解剖学的知識と病変組織音響特性の測定結果を組み合わせ,超音波散乱体配置を正常組織構造から病変組織へと再配置し,病変が進行していく様子を段階的に表現したものである。次に,この病変の音響構造モデルを用いて超音波画像を作成する計算機シミュレーションを行い,段階的に変化する超音波画像を生成した。この画像を用いて,検討を進めている複数のレイリー分布を組み合わせて画像の振幅頻度分布を表現する方法を用いて,病変の進行と画像の振幅確率分布との間と定量的な関係を検討した。この結果,初期病変においても線維化の進行と,振幅確率分布の間には定量的な関係があることが明らかになった。さらに,超音波画像から線維化の程度を安定に抽出する方法について検討した。この検討結果を用いて,臨床画像より生体組織の音響構造変化を定量的に求める逆問題について基礎データを蓄積するとともに,推定精度について定量的に明らかにすることができた。
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