配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2011年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2010年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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研究概要 |
申請者は,これまで実時間で有限要素解析によって内部組織の変形を推定するシステムneuroFEMの研究を進めきた.この研究では,1つの鉗子で肝臓表面を扱うことを前提として,その操作によって起こり得る変形を1つのニューラルネットワーク(以後,NN)で推定する.肝臓は塊と大まかに捉えるとすると,胃は階層状に並ぶ薄膜の集合体であるため,胃全体の大局的動きと手技による局所変形の両方を再現する必要がある.また,切開や切除により,その操作前後の胃の構造,つまり組織モデルの構造が変わる.このような問題を解決するために,平成23年度では,平成23年度で構築した,胃ESDの手技で生じる組織変形を実時間有限要素解析によって再現するシステムを拡張した. 具体的には,まず,粘膜切除前後における胃全体の変形を推定するneuroFEMを,効率的に構築する手法を開発した.neuroFEMの構築には,「ある初期条件とそれにより変形した胃モデル」という学習データが多数必要であるが,一方学習データの増加に伴い,1つのNN学習できない可能性が高い.そこで,予備実験を通して,大規模データセットから,1つのNNが学習可能なサブデータセットを自動的に選択する手法を開発した.これにより,学習精度が保証されるだけでなく,学習時間の短縮も可能となった. また,胃の内壁にある腫瘍の位置を任意に設定することによって,様々な症例での手術シミュレーションが可能となる.そこで,胃全体の変形をneuroFEMで,腫瘍およびその周囲の組織の変形をバネ-質点モデルを用いるハイブリッドな変形推定システムを構築した.
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