研究領域 | 多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究 |
研究課題/領域番号 |
22105505
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90324368)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2010年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 加速器 / 素粒子実験 / 放射線、X線、粒子線 |
研究概要 |
CERN研究所・LHC加速器において取得した衝突超前方における放射線環境測定データの解析を行った。陽子衝突データの衝突輝度を正確にもとめ、単位輝度あたりの被曝量を導出した。測定結果は、LHCf検出器中最も高い場所で0.29Gy/nb^<-1>となり、相互作用モデルQGSJET-IIを用いた予想0.53Gy/nb^<-1>よりも小さな値が得られた。また、条件が多少異なるが、LHCにおける標準モデルであるMARSモデルによる予想0.7Gy/nb^<-1>とも比較が可能になった。測定条件の違いを考慮したさらに詳しい比較が必要であるが、モデル予想と2-3倍程度の違いであることで、加速器の放射線環境予測が概ね正しく行えていることを実証できた。 高い放射線耐性で知られるGSOシンチレータを1mmx1mmx40mmにしたGSOバーを製作、これを束ねたGSOホドスコープを開発し、その基礎特性を測定した。測定は放射線医学総合研究所HIMAC加速器の炭素ビームを照射することで実施した。GSOバー間を白ペンキで光学的に分離することで隣のバーに対するクロストークを3%以下に抑えられる反面、長さ方向の減衰長に大きな個体差がでることがあきらかになった。ペンキを用いないとクロストークが最大10%程度になるが、安定した減衰長(35mmあたり30%)を得ることができた。これらの特性は、高放射線耐性の位置検出器を開発するための基礎データとなる。 22年度に実施したGSOシンチレータの放射線耐性について論文として発表、国際会議等における発表も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度のGSOの放射線耐性測定結果を論文として出版することができた。LHCにおける取得データの解析とモンテカルロシミュレーション結果の比較にも成功した。LHCにおけるGSO輝度モニタの運転は実現できなかったが、GSOバーを用いたホドスコープの基本性能を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
LHCにおける放射線環境の測定データの解析には、まだLHCf実験のデータ取得条件のバイアスがかかっている。バイアスのないデータの解析が進行中であり、24年度初期には現在執筆中のLHCf性能論文の中で発表する。GSOシンチレータの被爆後の増光について、さらなる研究の可能性がみつかった。一般的にシンチレータの放射線劣化に対して、光子照射による回復が知られている。GSOの増光に対する光子照射による回復の研究はいまだ例がなく、紫外線、可視光、赤外線等の照射による能動的回復の可能性を探りたい。加速器の運用と同時にGSOシンチレータの劣化を能動的に回復することが可能になれば、最高の放射線耐性をもつシンチレータが実現することになる。
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