研究領域 | 多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究 |
研究課題/領域番号 |
22105506
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤岡 宏之 京都大学, 理学研究科, 助教 (30513395)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2011年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2010年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ストレンジネス / K中間子原子核 / 強い相互作用 / J-PARC |
研究概要 |
大強度陽子加速器施設JrPARCにおいて、π^+中間子を液体重水素標的に照射することでK中間子原子核K-ppを生成するE27実験が予定されている。K中間子原子核とは、反K中間子が強い相互作用によって原子核中に束縛した状態のことであり、理論的にその存在が予想されている。K中間子原子核の生成断面積はバックグラウンドと比べて小さいと考えられるため、K中間子原子核とバックグラウンド過程を区別するための検出器としてレンジカウンターを製作した。申請者の先行研究によりK-pp状態はA粒子と陽子の2体に崩壊すると考えられるため、A粒子がさらに崩壊して出来る陽子と併せて2個の陽子をレンジカウンターで検出することとした。ただしバックグラウンド起因のπ中間子もレンジカウンターに入射するため、π中間子と陽子を高い精度で識別することが要求される。 レンジカウンターはビームから見て左右それぞれ3ユニットから構成される。前年度のうちに検出器を完成させ、平成23年4月に予定されていたビームタイムに向けて検出器のインストール等を進めていたが、東日本大震災の影響によりJ-PARCの運転が平成24年1月まで休止された。そのため実験は平成25年度にずれ込むこととなった。震災後にレンジカウンターを構成するプラスティックシンチレータの健全性確認を行い、光電子増倍管との接着が外れている箇所について再接着を行った。平成24年2月に、π中間子ビームと液体水素標的を用いた予備測定を行い、時間分解能や粒子識別能力などの性能が震災以前と大きく変化していないことを確認することができた。 一方、検出効率を高めるためにはさらなる検出器の増設が必要だと考え、平成23年度に製作したものとは異なる設計のレンジカウンターの設計、試作にも取りかかった。今後ビームを利用してデータを取得し、解析手法の確立を行っていく予定である。
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