研究領域 | 反応集積化の合成化学 革新的手法の開拓と有機物質創成への展開 |
研究課題/領域番号 |
22106510
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
草間 博之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30242100)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2011年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2010年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | アルキン / 白金触媒 / カルボニルイリド / 付加環化反応 / エングレリン / 全合成 / 不斉合成 / 集積合成 / 不飽和カルベン錯体 / インドール |
研究概要 |
本研究では、適切な求核部位を有するアルキン類を遷移金属触媒によって求電子的に活性化して分子内環化反応を実現することで金属部位を有する高反応性化学種を発生させ、これを更なる分子内環化反応や分子間付加環化反応に利用することで生理活性物質等の合成中間体として有用な多環性化合物を一挙に構築する同一時空間集積型反応の開発を行うことを目的に検討を実施した。また、ここで開発した独自の骨格形成手法を利用して生物活性物質の高効率合成へと展開する研究も行った。 まず本年度は、前年度から引き続いて光学活性白金錯体を触媒として用いる鎖状γ,δ-イノンとビニルエーテルとの分子間付加環化反応について検討を行い、合成化学的に有用な8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン誘導体を高エナンチオ選択的に合成できること、またこの手法が様々な置換基を有する基質に一般性良く適用できることを明らかとした。さらにこの手法を基盤として、顕著な生理活性を有することで注目されているEnglerinAの効率的な全合成を達成した。 また,アルカロイド等によく見られる1-アザビシクロ[5.3.0]デカン誘導体の一段階合成を目指し、エンイン部位を有するα,β-不飽和チオイミダートの連続環化反応について検討を行ったところ、触媒量のクロムカルボニルを室温下、光照射条件で作用させることにより目的の連続環化生成物を高収率かつ単一の立体異性体として合成できることを見出した。 これらの成果は、入手容易な鎖状化合物から、生物活性物質の母核としてみられる多環性複素環化合物を一挙に合成できる点で優れており、生物活性物質の合成に有用な手法を提供するものである。
|