研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
22108514
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桑畑 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40186565)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2010年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 半導体量子ドット / 硫化銀インジウム / 蛍光消光(クエンチ) / 光触媒 / 光励起電子移動 / 固溶体ナノ粒子 / 電気化学反応 |
研究概要 |
蛍光性半導体量子ドットは、粒子サイズによって発光波長を制御することができるので、新しい蛍光試薬として世界的に研究や実用化が進められているが、それらの多くがカドミウムや鉛のような毒性の高い元素を含んでいる。当研究グループは、比較的毒性の低い硫化亜鉛と硫化銀インジウムの固溶体から構成される強発光性量子ドット(ZAIS量子ドット)を開発し、応用研究を進めている。その一例が蛍光クエンチであり、量子ドットと消光剤の物理的相互作用が消光剤への電子移動速度を変化させ、それを制御することによって蛍光をon-offさせ、センシングなどに応用する研究を行っている。本年度は、消光剤の酸化還元によって消光度が変化することを利用して電極反応の観察を試み、それをシミュレーションと比較することによって開発した測定法の妥当性を確認するに至った。さらに、消光反応そのものについても検討を行った結果、これまで消光度が弱く、効率的な電子移動が起こらないと考えられていた、量子ドットと消光剤が電荷反発を起こすような系において、逆電子移動をともなう蛍光クエンチではなく、一方的な電子移動により対象分子を還元させる光触媒特性を見出した。このような、半導体と分子の相互作用が及ぼす興味深い現象は、消光剤分子への逆電子移動が非常に遅いことに起因するが、詳細は検討中である。本研究で得られた知見を総括すると、蛍光を発するとともに本質的に表面配位子にその性質が左右される量子ドットを用いることで、半導体の光電気化学特性を蛍光という形で可視化しつつ、バルク系では制御できないような他分子との相互作用に関する研究を行うことができた。
|