研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
22108519
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊地 和也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70292951)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2011年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / レポーター酵素 / MRIプローブ / Gd^<3+>錯体 / ^<19>F / 常磁性緩和促進効果 / 配立化学 / ^<19>F-MRI / アポトーシス / Caspase-3 |
研究概要 |
本研究では、遺伝子発現を可視化するレポーター酵素の活性によって、MR1コントラストが変化する合成プローブの開発を行った。MRIシグナルを変化させることのできるプローブ設計を行なううえで、Gd^<3+>錯体と^<19>F化合物に着目した。Gd^<3+>錯体は、常磁性緩和促進効果により近傍に存在する分子のNMRシグナルを減少させることが知られている。^1Hは生体における主要成分を構成することから^1Hを観測核としたプローブのシグナルを選択的に取得するのは困難であるのに対し、^<19>Fは、生体内にほとんど存在しないために、バックグラウンドシグナルに干渉されるという問題がない。この結果、^<19>Fを導入した化合物からなるプローブは、バックグラウンドシグナルがなく、高いS/N比を有すると考えられる。そこで、Gd^<3+>錯体と^<19>Fを含む化合物をレポーター酵素の基質の構造を介してつないだ分子を設計する。この設計では、^<19>FのMRIシグナルがGd^<3+>錯体の常磁性緩和促進効果により抑制されるが、酵素反応に伴いGd^<3+>錯体と^<19>F化合物が解離し^<19>FのMRIシグナルが回復することを期待した。 設計したプローブは、酵素反応前は、プローブのNMRシグナルを大きく減少させており、酵素との反応とともにNMRシグナルを回復させた。また、酵素反応をMRI測定により観測したところ、プローブと酵素の反応に伴いMRIコントラストの向上が観測された。さらに、このレポーター酵素を細胞膜上で発現させ、プローブを添加しMRI画像を撮像したところ、非発現細胞に比べMRIシグナルの上昇が確認された。以上の結果から、今回開発したプローブは、動物個体の遺伝子発現を可視化する基盤ツールとなると期待される。
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