研究領域 | 配位プログラミング ― 分子超構造体の科学と化学素子の創製 |
研究課題/領域番号 |
22108520
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉本 秀樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00315970)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2011年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | モリブデン錯体 / 酵素モデル / 錯体化学 / モリブデン / タングステン / 配位プログラム / 酸化還元 |
研究概要 |
カルボン酸メチルエステルを置換基に持つジチオレンを含むbis(dithiolene)Mo^<IV>O錯体およびbis(dithiolene)Mo^<VI>O_2錯体を合成・単離し、モリブデン中心とジチオレン間のπ共役性を結晶構造解析や各種スペクトルなどから考察した。 Mo^<IV>O錯体とMe_3NOとの反応により、Mo^<VI>O_2錯体を得た。このMo^<VI>O_2錯体は、v(Mo=O)_<symm>を870cm^<-1>に示した。アセトニトリル中におけるラマンスペクトル測定の結果、モノオキソ錯体はカルボン酸メチルエステル基のジチオレンのC=C伸縮を1537cm^<-1>程度に示すのに対し、ジオキソ錯体はそのC=C伸縮を1520および1540cm^<-1>に示し、ジオキソ錯体では、C=C結合により単結合の寄与が含まれることが明らかとなった。結晶解析の結果からも、C=C結合距離はジオキソ錯体(1.367(12)A)の方がモノオキソ錯体(1.356(4)A)よりも長く、C-S結合距離については、ジオキソ錯体(1.733(10),1.711(8)A)は、モノオキソ錯体(1.774(3),1.753(3)A)より短くなっていることが示された。これらの結果から、ジオキソ錯体の方が、モリブデン中心とジチオレン部にπ共役が大きく広がっていることが示された。 さらに、ジオキソ錯体は、アセトンやアセトニトリル中で亜ヒ酸に酸素原子を移し、モノオキソ錯体に変化することが明らかとなった。また、この酸素添加反応について速度論的考察を加え、反応機構を推定した。
|