配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2010年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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研究概要 |
地球内部の物質の電気伝導度は,温度圧力・化学組成や相の組み合わせ及びその構造等に大きく依存するため,地球電磁気的な観測データから地球内部の情報を定量的に読み取るには,実験室内で様々な条件下で地球内部物質の電気伝導度を測定する必要がある.現在のところフルイド(高温高圧下で様々な成分を溶解した水を主成分とする流体)の電気伝導度を高温高圧下で測定した研究は過去にほとんど無く,実際の地球電磁気的観測で日本列島の地殻中にはフルイドの存在が示唆されているにもかかわらず,その存在量を定量的に議論するには至っていない.本研究の目的は,高温高圧下で液体の電気伝導度を測定する新手法を開発し,それを用いて様々な条件下で地球内部のフルイドの電気伝導度の測定を行うことである.高温高圧発生には川井型マルチアンビル高温高圧発生装置を,そして電気伝導度の測定には,ソーラトロン社製インピーダンスアナライザーを用いた.高温高圧装置に組み込む測定セル部分は,1,流体との反応性が低く,2,流体を完全に封入して逃がさず,3,少なくとも2本の電気的に絶縁された測定電極が流体にセットされている,の3点を満たす必要がある.前年度までには材料費の比較的安い単結晶サファイヤを用いて試験を行ってきたが,本年度は実際に計画していた単結晶ダイヤモンドを用いて実験を行った.測定セルは,単結晶ダイヤモンド,貴金属カプセル,貴金属電極を組み合わせたものである.ダイヤモンド及び貴金属のサイズをいくつか変えたものを用意し,最善の組み合わせを決定し,セルの開発を行った.最適なサイズを決めた後,セルに実際に含水地球内部物質を入れ,高温高圧下で電気伝導度の測定を行った.今回開発した手法を用いて,様々な化学組成の流体の電気伝導度を高温高圧下で測定することが可能である.
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